タイム誌「ネイティブのように話すためには」から学ぶ外国語で最も大切なこと
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ネイティブのような発音を身につけたい、というのは多くの外国語学習者の目標かもしれません。ここでは、「ネイティブのように話すためには」と題したタイム誌の記事について、日本語訳を交えながらその内容ご紹介します。
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今回ご紹介する記事の詳細
今回ご紹介するのは、2012年4月4日にタイム誌のオンライン版に掲載された記事「How To Speak Like A Native」(ネイティブのように話すためには)です。この記事では、そのタイトル通り、外国語をネイティブのように話せるようになるためには何が重要なのかをまとめています。
ここでは、この記事で筆者が述べている重要なポイントを拾い読みしながら、ネイティブのように話すためには何が重要なのか、考えてみます。
Can an adult learn to speak a second language with the accent of a native?
(大人は、ネイティブのようなアクセントで第二言語を話せるようになることはできるのか?)
この答えは「Not likely」(可能性は低い)。しかし、近年の研究では、言語習得の目標として「完璧なアクセント」を追い求めることを諦めたほうが、結果として進歩をしやすく、しかも会話中に他の人に理解してもらいやすくなる、ということを示しています。
Native-like pronunciation is “clearly unrealistic.”
(ネイティブのような発音は「明らかに非現実的である」。)
カナダの言語学者や大学教授らによると、ネイティブのような発音を習得することを目指す従来の言語教育は、「明らかに非現実的」であるとのこと。
Pronunciation can be learned—but it should be learned with the goal of communicating easily with others, not with achieving a textbook-perfect accent.
(発音は学ぶことが「できる」、しかしそれ(発音)は、教科書的に完璧なアクセントを身につけることではなく、他人と容易にコミュニケーションをとることを目標として学ばれるべきである)
発音について様々な憶測がまかり通っているものの、これらの研究者たちは、大人の言語学習者は、「nativeness principle」(ネイティブらしさの原理)ではなく「intelligibility principle」(通じやすさの原理)にしたがって言語を学ぶべきである、としています。なぜなら、「even heavily accented speech can be highly comprehensible」(アクセントの強い発話でも、ほとんど理解可能であることができる)から、とのこと。
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Learners guided by the intelligibility principle focus less attention on individual vowels and consonants, and more attention to the “macro” aspects of language, such as general speaking habits, volume, stress, and rhythm.
(この通じやすさの原理を指針とする学習者は、個々の母音や子音にあまり注意を払わず、(かわりに)一般的な話し方、声量、強勢、リズムなどの、言語の「マクロ」的側面に注意を払います。)
研究者たちが行った実験によると、この原理は効果があるとのこと。
A good tip is to limit your conversational practice with other native English speakers.
(会話の練習を、ネイティブの英語(または学んでいる外国語)話者との練習のみに限定することが、よい助言である。)
これは、第二言語学習者の発話は、学習者自身の母語に似ている外国語のバージョンに向かっていく傾向があるからです。これは、自分の母語に近いアクセントのある人と話していると、そのアクセントに近づいていってしまう、ということ。
Instead, seek out someone who grew up talking the way you want to talk, and practice, practice, practice.
(代わりに、自分が話したい話し方で育った人を探して、練習に練習を重ねましょう。)
そうすれば、あなたが完全なネイティブのようには聞こえなくても、ネイティブはあなたを完璧に理解できるようになるでしょう。
まとめ
ついつい、表面的な「発音」や「アクセント」を完璧にしたい、という理想を掲げてしまいがちな外国語学習。でも、それって本当に正しいの?効率的なの?という疑問に、とてもよい理論を与えてくれる記事でした。
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この記事を書いた人
Tea drinker, painter, traveler, skier and yogi. アメリカ、カナダ、デンマークなどに居住。現在は翻訳の仕事をしながら、イギリス南西部の田舎町でパートナーとその家族との5人+1匹暮らし。