ダイエットにもgood!健康志向のシアトル人は何を食べているのか
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「シアトルってどんな町?」とローカルに聞くと、「雨が多い」という言葉の次の次くらいに「Health-conscious city(健康志向の町)」という答えが返ってきます。確かにジョギングやジム通いに勤しみ、食事にも気を遣っている印象のSeattleites(シアトル人たち)。では具体的にどんなものが食べられているのか? 4つのキーワードに分けてご紹介します。
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1.Eat Local
Eat Local、日本語でいう「地産地消」にはメリットがたくさんあります。第一にLocal food(地元の食材。Regional foodとも)を消費することは、地域経済の活性化につながります。それからFood-miles(食物の輸送距離。日本ではフード・マイレージと呼ばれる)の数値が低いので環境への負荷が小さく安全性も高いですし、そして生まれ育った土地の食べ物は体によいとも言われます。
シアトルは、そんなEat Localを実践するのにとても優れた町です。市内から少し車を飛ばすだけで大自然が広がる土地柄、農場や牧場が近隣にたくさんあります。日曜の朝には町の至る所でファーマーズ・マーケットが開かれ、農場・牧場から直送された食材を購入することができます。一般的なスーパーでもEat Local、Local foodと表示された食品を多く見かけます。
また日本で「地産地消」というと野菜が主かもしれませんが、シアトルでは野菜はもちろん、卵、肉、乳製品、豆腐とかなり選択肢が豊富なのも嬉しいところ。食材をすべて地元産に揃えることも可能なくらいで、後述しますが、地元食材のみを使ったお料理屋さんも存在するのです。
こうしたLocal foodには、Organic(有機栽培)、Family owned(家族経営)といったキーワードが重なることがほとんどです。また卵ならCage-free(放し飼い・平飼い鶏の卵)、お肉ならGrass-Fed Beef(穀物飼料ではなく牧草を食べて育った牛の肉)、お豆腐ならNon-GMO(非遺伝子組み換え)であることが多いです。
Localといっても正確な定義はないようで、「ワシントン州産」という大ぐくりの表示もあります。ワシントン州、日本の国土の半分くらいあるんですが
ファーマーズ・マーケットの野菜は新鮮で美味しい。作り手の顔が見れるのも安心です
2.Organic
上でもちらりと触れたOrganic。この単語を町中で見かけない日はありません。日本と同じで食品、飲料、化粧品、衣料品……なんにでもオーガニック製品が存在します。オーガニック市場は玉石混交で基準が甘い製品もあるらしいのですが、なんとなく安心感があって手を伸ばしてしまいます。
特に食品は、できるだけ安全な品を選びたいものです。ただ我が家では全てをオーガニックにすることはお値段的に厳しいので(物によりますが、感覚的に普通の2倍くらい。それでも日本と比べると随分お手頃だと思いますが)、皮ごと食べるトマトやズッキーニ、ベリー類、葉物野菜の青ネギやサランチョロ(コリアンダー、パクチーとも)などだけは極力オーガニックにしています。
また、商品にこだわったスーパーマーケットが何店舗もあるのも、シアトルの良い所です。シアトルで自然食といえばまず名前が挙がるPCC Natural Market(11店舗展開。2016年にBothell店がオープン予定)、全米チェーンのWhole Foods Market(シアトル周辺に7店舗)、パッケージやフライヤーが可愛いTrader Joe’s(シアトル周辺に14店舗。Shoreline店がオープン予定)など、ナチュラル系スーパーを探すのには困りません。
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3.Gluten-Free
これはシアトルに限らないのですが、アメリカで未だ衰える気配を見せないのがGluten-Freeブーム。日本でも「グルテン・フリー・ダイエット」が出版されるなど、話題となりましたね。
念のためグルテンとは、たんぱく質の一種で主に小麦に含まれる物質。「食欲を刺激する・血糖値を上げる・中毒性がある」と言われ、それをカットした製品が好まれています。グルテンを含む小麦製品を一切絶つことで、ミランダ・カーやレディ・ガガが痩せた!テニスプレーヤーのノバク・ジョコビッチ選手が成績を伸ばした!などと話題になりました。一方で「科学的根拠はない」という発表(※)もされています。
※参照:Glenn A. Gaesser, PhD; Siddhartha S. Angadi, PhD 「Gluten-Free Diet: Imprudent Dietary Advice for the General Population?」(PDFファイル)
パン、パスタ、シリアル、クッキー……と、小麦が原料のありとあらゆる食品にグルテン・フリー製品が存在します。お味はどうかというと、確かに風味やふくらみ加減は劣るものの、言われなければ気付かないくらい美味しいものが多いです。
ナッツやジャムなど「普通に考えて小麦は使わんやろ、いや製造の段階で混ざる可能性があるのか……」と首をひねってしまう食品、はたまたマカロニ&チーズなどの「グルテン・フリーうんぬんの前に脂肪たっぷりで不健康やんか!」と突っ込みたくなる加工食品にまで、とにかく「Gluten-Free」の文字が輝いています。
シリアル、コーントルティーヤ、チョコレートまでGluten-Free
ファーマーズ・マーケットにて、Gluten-Freeのパン屋さん
ただ、妄信的ダイエッターだけではなく、深刻に小麦アレルギーで悩んでいる人を救っていることも確かだと思います。アメリカにはグルテンに過敏反応を示す人が300万人超いるといわれ(国民の約100人に1人)、そうした背景もあって2013年にFDAがGluten-Freeの定義を定め、安心して商品が購入できるようになりました。筆者にも小麦アレルギーを持つ日本人の友人がいます。日本で食事に苦労しているので、アメリカに住めば少しは楽になるだろうなぁとGluten-Freeの表示を見るたびに思うのです。
4.Delivery services
テック産業が盛んなシアトルでは、「ランチへ出かける暇があったら仕事するわ!」というハードワーカーがたくさんいます。そんなお気のどく会社員たちをターゲットに、オフィスへ食事を配達するサービスがスタートアップとして業績を伸ばしています。
好みのレストランを選ぶと日替わりメニューを職場に届けてくれるPeach、「注文から1時間以内にお届け」がウリのInstacartなど様々なサービスがある中で、特に注目を浴びているのが健康的な食事のデリバリー。原材料・成分表示がきっちりされていて安心なMunchery、その名の通り地元の食材を使った料理が美味しいEat Local、使用する食品はすべてGluten-free・ほとんどDairy-free(乳製品不使用)のKendal’s Kitchenなど、こだわりのDelivery serviceがずらりと揃っています。
ランチだけでなく、ディナーの配達をしているサービスもあります。仕事終わり、クタクタに疲れた状態で自炊なんてできませんよね。かといって外食や出来合いの惣菜は深夜の胃に重い。そんな時にもぜひ利用したいサービスです。筆者が日本で社蓄、もとい会社員をしていた頃は、終電後に開いているお店といったら吉野家くらいのもので、やさぐれながら牛丼をかきこんだことを思い出します。こんなデリバリーサービスがあったら、私の体重はあんな可哀想なことにならなかったものを……という話は置いておいて、忙しいSeattleitesが注目しているサービスであります。
最後に
留学中、外食続きで体を壊してしまっては元も子もありません。勉強に遊びにと忙しいかもしれませんが、ちょっと食事に気を遣うだけで病気や体重増加を避けることができるでしょう。特にシアトルではそれが容易です。
ただそれでも、日本人と比べると巨大サイズに見えるSeattleites。これだけ気を遣っているのにどうして……?と不思議になってしまうのですが、やはりここはアメリカ。「健康食として売り出しているけど、それって本当に健康的なの?」と思ってしまう食材もたくさんあるのです。次回はアメリカの、健康に見えて実は不健康食、についてお伝えします。
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この記事を書いた人
日本の大学で英語学を学びながら、語学留学でロンドン、国際インターンシップでドネツク(ウクライナ)へ。その他旅に明け暮れて、次第に旅するように暮らしたいと思うように。大学卒業後は日本の出版社に5年半勤め、現在は配偶者とシアトル在住。
https://note.mu/misakot