結婚とほとんど同じ権利!スペインの「パレハ・デ・エチョ」とは

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スペインには教会婚、民事婚とは別に「Pareja de hecho(パレハ・デ・エチョ)」というシステムがあります。事実婚のようなものですが、日本の法律で言う「内縁関係」に近く、結婚とほぼ同じ権利があります。パレハ・デ・エチョとは、どのようなものなのでしょうか?

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Pareja de hecho(パレハ・デ・エチョ)とは?

スペインには教会婚、民事婚とは別に「Pareja de hecho(パレハ・デ・エチョ)」というシステムがあります。事実婚のようなものですが、日本の法律で言う「内縁関係」に近く、結婚とほぼ同じ権利があります。筆者が調べた範囲だと、結婚との違いは、相続ができない、別れる際に裁判が必要ない、日本国内では婚姻関係とは認められない、の三点でした。

Pareja de hecho(パレハ・デ・エチョ)の担当部署

筆者が住むアンダルシア地方では、Junta de Andaluciaが管轄ですが、ウェブサイトを見て、パレハ・デ・エチョを担当しているセクションを調べて訪ねた所、もはや部署が変わっていて、違う建物に移動したとのことでした。また、サイトに書かれている必要条件も必ずしも絶対ではなく、ケースバイケースのようです。条件が合わない、とあきらめず、まずは問い合わせてみましょう。

パレハ・デ・エチョを申請するのに必要な書類

パレハ・デ・エチョに必要な書類は結婚とほぼ同じようで、出生証明書、結婚要件具備証明書や離婚している方は離婚証明書、住民登録、身分証明書などです。

日本人にとって難しいのは、これらの書類を作成するにはアポスティーユ(公印確認)付きの戸籍謄本が必要な上に、さらにこれを認定翻訳士に翻訳してもらう、もしくは大使館で証明書を作って貰う必要があります。

気をつけなければならないのは、出生証明書というシステムが日本にはないので大使館が「certificado」とタイトルした場合、役所によっては「certificado de nacimiento」となってないからダメと言われたりする場合があります。

書類作成の際は提出する役所が求める通りの書類を作って貰った方が確実です。日本大使館には依頼時か受け取り時には直接本人が行かなければならないので、無駄足にならないよう「役所が求めている書類」を作って貰いましょう。

スペインの日本大使館と領事館

日本大使館はマドリッドに、領事館はバルセロナにあります。遠方にお住まいの方は、大使館の出張サービスが不定期に行われるので、大使館に問い合わせましょう。また、スペイン在住届けを出しておくと、メールで出張サービスのお知らせを受け取ることもでき、その他のお知らせなども送られてくるので、機会があったら在住届けも提出しておくと便利です。

さらにアポスティーユが必要な場合も

大使館で作って貰った書類で、日本でアポスティーユを付けてあっても、スペインでさらにアポスティーユを付けてもらわなければならない場合もあります。この場合、またマドリッドのアポスティーユを付ける機関に郵送し、返送を待つ必要があります。役所が前もって全てを丁寧に説明してくれない場合もあるので、こちらから詳しく聞き出す必要があります。

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パレハ・デ・エチョの提出には予約が必要

日本の役所のように好きな時に婚姻届けを提出できるわけではなく、前もって予約を取る必要があります。一か月先、という場合もあるので時間が限られている場合は書類の準備と合わせて予約も取りましょう。

パレハ・デ・エチョの成立にかかる期間

書類が全て受理されたら15日後にパレハ・デ・エチョが成立されます。これもぴったり15日という場合ばかりではないので、成立する日を確認し、再度役所に出向き証明書をもらいましょう。

パレハ・デ・エチョをしても居住許可が降りない場合も?

スペインでパレハ・デ・エチョをスペイン人、もしくはEU圏内の人としたら自動的にスペインに住める権利が手に入るのかというと、必ずしもそうではありません。居住許可を手に入れるためには、さらなる次のステップが待っています。

また、現在アンダルシア州ではパレハ・デ・エチョをして一定の手続きと条件を満たし、スペインに認められれば居住許可が下りますが、バルセロナの日本領事館によるとバルセロナではパレハ・デ・エチョでは居住許可が下りないとの案内をされました。地域によって法律が違うので、注意が必要です。

まとめ

結婚やパレハ・デ・エチョの予定がある人は、必ず戸籍謄本が必要になります。また、外務省でのアポスティーユ請求は本人の来庁、もしくは郵送請求、あとは行政書士など専門の有資格者しか申請できません。スペインからアポスティーユ付きの戸籍謄本を入手するだけでも日数がかかりますので、前もって準備することをおすすめします。

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この記事を書いた人

bruja
bruja

スペインに親子留学をしたのがきっかけで、移住することに。1年近くいるのに、適当なスペイン語しか話せていません。それでも、スペインのいい加減なお国柄を最大限に利用して、楽しく自分らしく暮らしています。

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