留学生が知っておきたいフランスの大統領選に関する知識
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アメリカ大統領選でトランプ氏が当選したことについて、フランスのメディアでも大きく取り上げられています。直前のニュースや討論会ではクリントン氏が当選する確率が高いとされていたので、フランスのメディアもトランプ氏の当選に困惑しました。そんな中、2017年4月にフランス大統領選が行われます。現在のオランド大統領への不信もあり、大きな注目が集まっております。フランスでは若い人も積極的に政治の話をしますので、ここでは知識として知っておきたい、フランス大統領選についての、各党の候補者についてまとめました。
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トランプ氏の当選によるフランス国内の動き
フランスの現大統領オランド氏は、トランプ氏の当選について後ろ向きなコメントを出しました。これまでは多少の問題はあっても、フランス及びEU内でのアメリカに対する嫌悪も緩和されていた部分もありましたが、今後、トランプ氏が歯に衣着せない言動や行動を取ればフランス及びEU全体では交渉の門戸を狭め、アメリカとは別の政策や考え方をクリアにしていくと言われています。
また、2017年4月に行われるフランス大統領選で次の大統領が誰になるかによって多少は変わることもありますが、イギリス離れに続き、アメリカ離れが進んでいく傾向に傾くのではないかと、フランスの多くの専門家は見ています。
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現在のフランス国内での大統領戦に向けての動き
極右党・国民戦線
フランスの極右政党である国民戦線のマリーヌ・ルペン氏は、トランプ氏の当選に大興奮で大喜び、自分に追い風が吹いてきたと豪語しています。フランスのトランプ氏と言っても良い候補です。危険な候補と言えるでしよう。
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中道右派・共和党
中道右派の共和党では2016年11月に大統領候補者を決める予備選挙が行われ、アラン・ジュペ氏とフランソワ・フィヨン氏の戦いになりましたが(ともに元首相)、フィヨン氏が勝利し大統領候補になりました。当初の予想ではジュペ氏が有利とされていましたが、蓋を開ければフィヨン氏の圧勝でした。ちなみに予備選にはニコラ・サルコジ氏(元大統領)も立候補しておりましたが、3位に終わり、政界を引退する意向を表明しました。
ジュペ氏はサルコジ氏の右寄りの意見の逆で、やや左寄りの政策で国民感情を意識していたようですが、あまり候補として取り上げられていなかったフィヨン氏は、ジュペ氏とサルコジ氏の間の政策で意見を述べたので、バランスという点でフィヨン氏の戦略勝ちのように見えました。
フランス国民の気持ちとしては、あまりひどい政策ではないこと、しかし、あまり優しすぎても世の中が何も変わらない、ちょうど真ん中だからという理由で、フィヨン氏に投票した人が多かったようです。
フィヨン氏の政策とは?
フィヨン氏の政策としては、公務員の人員削減、法人税の減額、移民の定員を決めること、イスラムの人のブルキニのルール化、同性婚の養子の制限、ロシアとの交流の強化などを掲げています。
フィヨン氏はキリスト教的な思想が強いことや、個人的にロシアとのつながりが強いために、ロシアとのつながりを重視する意向です。それにより、アメリカ離れが進むのではと言われていて、アメリカとの外交を望んできたEUとの関係性も微妙になり、本当にバランスが取れた政策とは言い難い、やや傾いた舵を取る恐れがあります。
以前にも、フィヨン氏は教育の大臣をしていたことがありますが、あまりにも強硬な教育改革の政策を打ち出したために、学生や大学の職員がデモを行ったことがあります。そのときデモ隊は「フィヨンが嫌い、フィヨンは(大臣を)やめろ!」という歌を作って、歌いながら街中をデモ行進したそうです。
ジュペ氏が、フィヨン氏の政策は「暴力的」と非難したように、強硬なフィヨン氏の政策でフランス国内が混乱する可能性は十分にあります。
中道左派・社会党
現在の与党である中道左派の社会党ですが、オランド大統領のインタビューの問題の本が出てから、オランド大統領は発言が控え目になり、次期の大統領続投は厳しい情勢となってきました。
社会党では現首相のヴァルス氏が出馬の意向ですが、オランド政権でヴァルス氏の手腕が発揮できず、人気が低迷しています。首相として問題のあるオランド大統領の下で最後まで仕事をしなければならないという足枷もあるので、大統領選の候補になれたとしても、国民の支持を得るのは難しいでしよう。
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台風の目?エマニュエル・マクロン氏
オランド政権で経済相を務めた若手のエマニュエル・マクロン氏は、無所属での大統領選の出馬を表明しました。
マクロン氏は、まだ具体的な政策を発表しておりませんが、他の候補が見ていない未来を見ている発言がおもしろいという専門家の意見が見受けられます。フランス国内でも、マクロン氏はかなりの人気があります。
大統領選の最後の戦いは、共和党のフィヨン氏とマクロン氏との戦いとなり、二人のどちらかが大統領になるのではないかという可能性が高いと言われています。年齢や政治家経験歴からすると、フィヨン氏の方が上で、次の大統領になるのではと言われていますが、今回が無理でも今後、マクロン氏が大統領になる日がいつか来るのではないかと、期待されている候補者です。
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まとめ
世界的にはトランプ氏のような暴力的発言のメディア戦略(trumpisation)の候補が選ばれるようになってきましたが、サルコジ氏はこのtrumpisationの戦略を使ったものの、あっさり負けたので、フランスではアメリカの大統領戦ような事態は避けられそうです。
それでも、フランスでは、テロや難民、移民の問題で、右の考え方に賛成は出来ないけれど、国内の治安を考えると不安という人たちの投票が、右党寄りに傾くでしよう。
フランスの大統領選が近くなればなるほど、大学内でも学生や教員内ではもちろん、社会的に政治談義が増えてきました。日本よりも、政治の話を真剣に話している学生に驚くほどです。
フランスの政治は、現実的に目に見えて社会の動きが変ることが多々あるので、日本の政治よりも現実味があり、身近に政治を感じます。来年の大統領選は、フランスではとても大事なことなので、ニュースはきちんと把握すると良いでしよう。
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この記事を書いた人
フランスに移住して、3年半が過ぎました。海外経験が全くない・フランス語が全くできないまま、フランスに長期に住むことになりました。フランスのさまざまな文化や生活などの魅力的な情報をお届けします!
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