何事もやってみる、挑戦してみるフランス留学ーートビタテ!留学経験者インタビュー Vol.5
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よく、日本の学生はチャレンジしない、授業でも発言しないなどと言われます。トビタテ生としてパリ政治学院に留学した寺田さんも昔はそうでした。しかし、チャレンジすることの大事さを知った彼女はフランスでの留学生活を大成功させました。今回は、そんな彼女のフランスでの挑戦をお伝えします。
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今回インタビューした留学経験者
寺田理紗さん
東京大学教養学部教養学科地域文化研究分科フランス研究コース4年の寺田理紗さん、右側の方です。
今までにない出会いがあるのがトビタテ
ーー 本日はよろしくお願いします!まず、奨学金制度はいろいろあると思うのですが、どうしてトビタテだったのですか?
トビタテは他の奨学金制度とは違い、他の学生との交流があるということが非常に魅力的でした。もちろん奨学金の額もですが、なにより新しいコミュニティーを作れるのは非常にいいと思いました。トビタテの方々も積極的に学生交流のイベントを企画してくれたから、そこで友達になったトビタテ生と留学先で会うことも多かったです。
また、事前研修や事後研修も充実していて、従来の奨学金制度よりもチャレンジし甲斐があると感じました。
ーー やっぱりたくさんの新しい友達ができましたか?
そうなんです。いろんな分野の人と新しく出会えて、それこそ起業している人もいるし、音楽やってたり、スポーツやってたり…。今までの自分なら関わることもなかった、あらゆる分野の人と出会えたことは大きな財産になっています。
ーー いいですね!ただ、トビタテって選考が難しいとよく聞くのですが、選考の際に何か意識されたことはありますか?
私は小手先のテクニックよりも、「どうして?」の部分を大事にしました。どうして留学したいのか、どうしてトビタテなのかを掘り下げて考えました。
先輩や同期に自分の志望書や計画書を添削してもらって、自分の書類が客観的に見てロジカルになっているかを確認してもらいました。他人でも自分でも納得できる書類作りを心掛けて、最終的には自分の口で上手に説明できるようにしましたね。
小さいころからの夢であり、憧れだったパリ留学
ーー パリに行ってみて実際どういう町だったんですか?
実は私はパリに行くのは初めてではなかったんです。中学生の時にパリに旅行で行ったことがあって、最初は「パリ=キラキラしたイメージ」だったのですが実際は違って。伝統的な街並みのなかにエスニックなお店が並んでいたり、日本人街もある。新しいビルが並ぶ地区もある。治安が悪いところもあり、落書きもあるけど、そこも含めてもっと本物のパリの風景を見たいと思いました。今回パリに留学しようと考えたのもその時の影響が大きいです。
ーー 今回のパリ留学のテーマは何だったんですか?
「文化って何の役に立つ?を考えて、好奇心のまま突っ走る!」が今回の留学テーマです。
先ほども言ったのですが「文化」って様々な場所で見つけられると思うんですよね。日本の文化も、日本人とフランス人で捉え方が違うと思いますし、そういった違いも含めて文化について勉強したいと考えました。
パリ政治学院(Science Po)とは?
ーー 留学先にパリ政治学院を選んだ訳を教えてください!
留学ならパリに行きたいと思っていたのですが、大学の協定校のうちパリにあるのはパリ政治学院しかなかったんです。パリ政治学院は世界中から優秀な学生が集まると聞いていたので、彼らと切磋琢磨できるのは魅力的だと感じました。
ーー パリ政治学院ってとてもかっこいい名前ですが普通の大学とはどう違うのですか?
パリ政治学院は別名「Sciences Po(シアンスポ)」と呼ばれています。フランスには「高等教育機関」という専門に特化した学校があり、その中でも政治や国際関係に強い学校がシアンスポです。政治だけではなく人文系の授業も充実しているんですよ。
日本の大学みたいなキャンパスがあるわけではなく、いろんな建物の中に教室が点在している感じでした。教室移動は街の中を歩いて移動していました。途中にはパン屋さんもあったので、みんな移動中にそこでお昼ご飯を買い、歩きながらサンドイッチを食べている人も多かったです。
ーー 街の中を移動ですか!?かっこいいですねー!
でも、今考えたら少し不便だったかなぁ(笑)。
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着物はコミュニケーションツールになる!?
ーー 多くのトビタテ生は留学先で実践活動をされているということですが、寺田さんは何をされていたんですか?
「パリ小町」という団体に所属し、着物の良さを広めていました。月に1回お茶会をしたり、イベントを企画したり。春にはお花見イベントで小物や古着の販売、着付けのショーなどをしていました。
ーー すごく楽しそうですね~。
そうなんです。やっぱり、着物ってパリでは珍しいし目を引くので、街を歩いたり地下鉄に乗ったりするとフランスの人たちがたくさん声をかけてくれたんです。着物が日本の服だということは知っている人が多くて、こんなに日本に興味を持ってくれる人がいるんだなと驚きました。着物がコミュニケーションツールになっていたんです。
とりあえずやってみる、チャレンジすることが大事!
ーー フランスは日本と違うところが多いと思いますが、苦労されたことはありますか?
大学とか勉強よりも生活面で苦労することが多かったですね。フランスの手続きはとても遅いし複雑なんです。順番待ちをしていても、窓口の人が「ちょっとお昼ご飯食べてくる」と言っていなくなってしまうことも…。帰国の時にも携帯電話や保険の契約解除などでちょっと揉めました。久しぶりに日本のサービスを利用した時には、丁寧すぎて「そんな謝らなくて大丈夫ですよ」と言ってしまいました(笑)。
また、日本人の若い女性だからなめられているのかなと思うこともありました。ある時、郵便局で日本に荷物を送ろうと思って、ネットで送り方や料金を調べて郵便局に行ったのに、「いや、この荷物を日本に送ることはできない」と言われてすっごく高いお金を請求されてしまったんです。ネットのページを見せて「ちゃんとこの値段で日本に送れることを知ってるよ」と説得し、最終的にはダダをこねて何とか送ることができました。
まあその時は「なんか嫌だったなー。でもフランスはこんなものか。」と思って帰ったんですけど、何かお願いする時は絶対一つ壁があるなと思いました。海外ではこういうことが多いので、自分を主張して乗り越えないといけないんです。私、今回の留学でちょっと図々しいくらい強くなりました(笑)!
ーー おおー(笑)!では逆に留学中に嬉しかったことってありますか?
あります!私はクリスチャン・ボルタンスキーさんという現代美術家が好きで、その人に関する卒業論文を書こうと考えているんです。そのことをシアンスポの先生に言ってみたら「じゃああなた今せっかくパリにいるんだから会いに行きなさいよ」と言われ、知り合いにボルタンスキーの連絡先を聞き回って連絡先をゲットしました。
とても有名な美術家だから、かなりダメ元で連絡を取ったところ、なんとOKが出て、アトリエで1時間のインタビューをすることができたんです!
ーー すごいじゃないですか!
ボルタンスキーの作品は世界中にありますが、日本でも展覧会を開いていて直島に常設作品もあります。彼と日本との関係に注目した論文を見つけるのは非常に困難だったので、直接インタビューできたことは本当に嬉しかったし、ボルタンスキーのくしゃっとした笑顔にも癒されました。本当にチャレンジしてよかったと思います!
好奇心のままに挑戦し学べた「文化」
ーー 今振り返ってみて、寺田さんにとって今回の留学はどのようなものでしたか?
改めて聞かれると難しいですね...。留学っていろいろ計画していくわけですが、当然計画外のこともあったりしますし、期待以上のことが起きることもあります。ただ、何事もチャレンジしてみないと失敗も成功もないし、やってみたら案外できるものだと気付きました。留学前に考えていたよりもいろんなことができたし、いろんな人との出会いもあり、留学に行ってよかったなと思っています。
ーー 今回のフランス留学を経て、寺田さんは将来どのような仕事をしたいとお考えですか?
私は留学に行く前、将来やりたいことや就職に関してブレブレで、「運が良ければフランスで働ければいいなー」くらいにしか思ってなかったんです。でも留学中にやっぱり自分の能力を一番発揮できるのは日本語で考え日本語でアウトプットすることだと気づいてしまったんです。
だから、私はフランスとの関係も保ちつつ、日本に軸足を置いて働きたいと思っています。もし、海外転勤などの機会があればその時にフランスに行くのも悪くないなって。
それからどんな仕事をするにしても文化的な視点を心の中に持っていたいと考えています。文化っていうと抽象的で目に見えないけれど、日常の生活を豊かにしてくれるとても大切なものだと思うんです。フランスで学んで、文化はただ高い価値をもつ芸術だけでなく、自然を愛でる日本の心やライフスタイルなど、人々の営みすべてに関わるものなんだと気がつきました。将来、今回の留学は絶対に役に立つと思いますし、学んだことを仕事に生かしていければと思います。
編集部コメント
海外で生活する時、文化や習慣の違いから苦労したり行動する勇気を持てない人は多くいます。しかし、行動を起こさなければ成功はありません。留学をする際には失敗してもいい、とりあえずチャレンジしてみようという気持ちが大事なのではないでしょうか。
今回紹介した学校
名称 | Institut d'études politiques de Paris(パリ政治学院) |
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国・都市 | フランス / パリ |
学校形態 | 大学大学院 |
住所 | 27 Rue Saint Guillaume, 75007 Paris, フランス |
電話番号 | +33 1 45 49 50 50 |
公式サイト | http://www.sciences-po.fr/ |
口コミサイト | https://ablogg.jp/school/1160/ |
インタビュアー
Sai Takao/早稲田大学3年/アブログインターン生
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