ロンドンのグリニッジ大学で体験した面白い授業「Writing Poetry and Prose」

5786

View

スポンサーリンク

私は現在ロンドンにあるグリニッジ大学でCreative Writingを専攻しています。1年目に受けた授業の中で特に「書く」ことへのインスピレーションを得られた「Writing Poetry and Prose」という授業についてご紹介します。

スポンサーリンク

Writing Poetry and Proseとは?

この授業では、前期にPoetry(詩)、後期にProse(散文、ストーリー)を学びました。

担当の教授は詩が専門で本も出されている方でした。大学の授業といって想像されるものとは違い、2時間のワークショップスタイルで生徒15人ほどで輪になって座って行われるものなのです。教室の電気を消し、真ん中にろうそくを灯して行われたこともありました。

また、いつもは授業は教室で行われましたが、時には大学のすぐそばのテムズ川沿いを歩いたり、近くのグリニッジパークやグリニッジ天文台、またロンドン市内の美術館に集合して行われることもありました。

今回はその中でも特に私の印象に強く残っている内容を取り上げていきます。

Abstract nouns(抽象的な名詞)を五感を使って表現し、みんなで当てるゲーム

まず一人一つ好きな「Abstract noun(抽象的な名詞)」を選びます。例えばlove, sadness, anger, frustrationなどです。何を選んだかは他の人には教えず、その言葉を五感に例えて表現します。

  • It looks like
  • It sounds like
  • It smells like
  • It feels like
  • It tastes like

というように五つの文を作ります。

例えば「Loneliness(孤独)」で「It looks like an empty room.(それは空っぽの部屋のように見える。)」という感じです。

そして一人ずつ発表して他の人たちで、その人が何という名詞を表しているのかを当てます。簡単すぎてもつまらないし、考えすぎるとわざとらしくなってしまうので、とても難しいです。

このゲームにおいて目指すところは、すぐには当てられないけれど正解が分かったときに、みんながなるほどと納得することでした。この五つの文はそのまま詩にもなるし、詩的な感覚を養える楽しい授業でした。

枯れ葉でOne word poemを作り、葉の一生について考える

落ち葉が沢山ある公園

ある日、教授が枯れ葉がいっぱいに入ったごみ袋を持ってやってきました。それを生徒に回していき、さまざまな色、形、大きさの枯れ葉の中から一人一枚ずつ選びました。

そして私たちはマーカーペンを渡され、ひとつの言葉を葉に書くように言われました。Pollution, life, deathなど、いろいろな枯れ葉のOne word poemが生まれました。

詩にはルールはなく、どんなものでも詩になりうるということを学びました。その後、葉の一生について考えました。3月の終わりから始まり、7月中旬、9月、1月中旬、というように一枚の葉が誕生してから地面に還っていくまでを一人称を使って書きました。

自分が葉になった気持ちで、そのときどう感じるかをそのまま書いていきました。他の生徒の中で隣の葉が散ってしまったことを、友達がいなくなったというように表現していた人が印象に残っています。

スポンサーリンク

モダンアートの美術館で詩を書く

ロンドンの美術館Tate Modern最上階

ロンドンにある「Tate Modern」というモダンアートの美術館で授業が行われたこともありました。

その日は現地集合で、2時間の授業まるまるそこで行われました。まずは全員で館内を回り教授がアート作品を見ながら詩について話をしてくれました。そして一旦解散し個別で好きな作品の前に座り、自由に詩を書きました。

アート作品を見てそこから連想したり意味を自分なりにとらえたりして書くことはとても刺激的でした。普段とはまた違った場所と方法で書くことで新しい考えも生まれるし、普段「書く」アートを学んでいる私たちとはまた別の形のアートからインスピレーションを得て書くこともできるのだと学ぶことができました。

会話劇を観察して会話シーンの書き方について知る

後期にProse(散文、ストーリー)を学び始めてから、会話について学びました。リアルな会話を作り上げるのはとても難しいことでした。

ある時、教授が生徒を指名してちょっとした劇をさせ、どういう体の動きがつくのか、声の調子がどう変化するのかなどを観察しました。例えば言い合いをしているカップル、学校をやめたことを内緒にしている娘とそれを本当は知っている母親、などです。

実際の場面を見ているわけではないのに、不思議と想像がしやすくなってストーリーの中の会話を表現することにとても役立ちました。

ユニークな宿題

毎回最後に次回の授業までに持ってくる宿題が出されましたが、難しいけれど楽しいものが多かったです。

  • テムズ川沿いを歩いた後に川をテーマに俳句(英語版のHaikuは日本の俳句と少し違ったルールで書かれます。)を書く。
  • 自分にとって大切な曲の歌詞と、なぜその曲が自分を感動させるのかを書く。
  • 一つ何かのオブジェクトを選んでそれを題材に韻をつけて詩を書く。
  • 大学の近くにあるグリニッジ天文台に行ってそこで思いついたことを詩にする。
  • シンデレラのストーリーの中に出てくるシンデレラ以外の登場人物を一人選んでその人のモノローグを書いてくる。
  • 二つのストーリーで一つは実話もう一つは全くの作り話を書いてくる。

テーマは決められていますが厳しいルールはなく、基本的には自由に書いてきて良かったので楽しんで書くことができました。

まとめ

いかがでしたか?Writing Poetry and Proseという授業を受けることができて、毎回の授業で先生や他の生徒からもインスピレーションを得られ、ライティングを学びたいという気持ちや英語をもっと上達させたいという気持ちがさらに大きくなりました。

今回紹介したグリニッジ大学の口コミ

グリニッジ大学のロゴです
名称University of Greenwich(グリニッジ大学)
国・都市イギリス / イングランド / ロンドン
学校形態大学大学院
住所Old Royal Naval College, 30 Park Row, London, Greenwich SE10 9LS イギリス
電話番号+44 20 8331 8000
公式サイトhttp://www2.gre.ac.uk/
口コミサイトhttps://ablogg.jp/school/4725/

スポンサーリンク

この記事に関するキーワード

  • まとめ
  • 授業
  • グリニッジ大学
  • Writing Poetry and Prose

この記事を書いた人

Satsukim
Satsukim

18歳で初めて訪れて以来ロンドンの虜に。現在はロンドンの大学で文学を専攻中。趣味は読書と映画鑑賞と洗濯。

留学希望者におすすめ各国の留学情報を徹底解説!