留学生の半分が目標を達成せずに帰国?日本の準備段階でするべき7つのこと

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私が16年前に留学した当時から、留学生の半分は当初の目標を達成せずに母国に帰国すると言われておりました。実際、留学生の半分は消えていく日常の中で、卒業するしないの大きな鍵の一つに、母国での準備があると思います。今回は留学するために日本でしておくべきことについて書いていきます。

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1.本当に留学をしたいのか自問する

留学は時間とお金の掛かるプロジェクトです。留学によって失われるものもあります。留学をしてみて、言葉の問題、授業での大量の宿題、母国を離れた寂しさ、日本で普通だと思われている人生から離れていく焦り(特に大学4年時は皆就職活動をするので、孤独感が強まる)、そういったものに直面し、留学は自分がしてみたいものではなかったと気付く人も多いです。

留学を一種の「ファッション」だと思っている方も危険です。今、流行の「国際化」「International」「異文化交流」という言葉を過剰に反応し、現在の日本での生活より派手で楽しい生活だと勝手に夢想していないでしょうか。確かに留学の一面に色々な国の人に出会える、異文化を学べるという魅力的な側面があります。しかし実際の生活は地味で、特に留学当初は些細な事にも努力を要される非常にストレスフルな生活です。

本当に留学をしたいのか
なぜ留学をするのか

今一度、自分の胸に問いかけてください。

2.英語のためだけに留学はしない

よく「英語ができるようになりたいから」という理由だけで留学する人を見かけます。私個人は英語のためだけに留学することはお勧めしません。なぜなら、いくら勉強してもNativeにはなれないため、ゴールが見えないのです。

むしろ英語を使って、MBAを取得したり、数学の学位を取ったりという方が語学力も上がりますし、次へのステップアップにもなり得ます。矛盾するようですが、英語のためだけに留学することは避けてください。

3.現地語の勉強ならびに必要なテストの受験

私はアメリカに留学を計画したため、当然英語が現地で最も一般的な言語になります(アメリカには公用語はありません)。時折、どの外国に行っても英語で十分だと勘違いをして現地の多様性を無視し、英語を押し通そうとする方がいらっしゃいますが、それはムリというものです。

言語の勉強は基本的に大学や語学学校に頼らず、自分で積極的に吸収していく姿勢が大切です。いざ留学を決めたなら、通学時間中、英語講座のCDを聞く。授業の合間の時間も図書館にこもり、問題集を解く。News Weekなどの英文雑誌を購読し、できるだけ英文に目を通すなどできることは沢山あります。

週2回の英語学校の授業だけで十分だと思ったら、大間違いです。語学上達の鍵は「量」ですので、大量にこなしていくことが大切です。大幅に自分の私生活の時間を取られるため、ある程度の覚悟が必要です。

TOEFLGREGMAT(米国の大学院進学に必要なテスト)といった留学に必要なテストを事前に調べ、受験しておくことも大切です。私は大学院進学のために、大学二年時からTOEFLを受験し始めました。

4.情報収集

留学に必要なスキルに情報収集があります。もし留学先をアメリカと決めたならば、その国の歴史、文化、政治、社会全般に関してできるだけ本を読んでおくことをお勧めします。インターネットでも情報収集はできますが、得られる情報は表面的な浅はかな情報が多いものです。

Amazon.co.jpの検索で「アメリカ」や「留学」「米国 歴史」というキーワードで調べ、評価の高い本を読んでいきましょう。実際、その国に住んでみると、その国の歴史が一般の人たちの生活に影響を及ぼしている様子がつぶさに観察できます。その国の歴史的な経緯を知らずに、迂闊に失礼な発言をして人間関係を悪化することもありますので、ご注意。

「宗教」に関してもひと通りの知識を得てから留学することがお勧めです。一般的に日本人は無宗教かせいぜい家が仏教というお方が多いと思います。外国に出ると、世界の大半が一神教で覆われていることに気付かれるでしょう。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教などの宗教に関して総括された本はいくつも出版されております。読んでおいて損はありません。

自分の進学先を大学院、大学、Community College(二年制大学)などに定めたら、自分の英語力、内申点などから、どの学校にするべきか決めていかないといけません。米国の大学ランキングなどを調べ、自分の能力に合う学校にしましょう。うっかりレベルの高い学校にすると退学の呻きにあう可能性が高まります。逆にレベルが低いとなぜ留学したのか分からなくなります。

ここでの大切なポイントは、 留学エージェントを利用しないことです。留学エージェントは提携先の学校に留学希望者を送るだけで、特に留学希望者の学力、希望などを特別に反映することはあまりありません。せっかく大切な自分の留学です。自分の納得のいく学校を見つけ、留学することが肝心です。

どの学校を選んでも嫌なことはあります。しかし自分で選んだ学校なら納得もいき、嫌なことも乗り越えられます。自分の好きな大学を見つけたら、資料を取り寄せ、自分の勉強したい学部でどういったテスト、成績が要求されるのか調べていきましょう。

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5.学校の内申点

実は米国の大学、大学院への進学は大学での内申点を重視します。内申点はGPA(Grade Point Average)といい、こういった計算式で導き出されます。成績を点数化するのですが、

A = 4.00 grade points
B = 3.00 grade points
C = 2.00 grade points

とおきかえ、

{(Aの単位数×4)+(Bの単位数×3)+(Cの単位数×2)}÷(総取得単位数)

という計算を行います。意外と内申点が大きく進学を左右することを知らない留学希望者も多いです。

私は大学時代から内申点を上げておいたため、大学院進学前に成績が足りない人のための予備クラスの受講を求められませんでした。よって、大幅に時間とお金の節約に繋がりました。もし内申点が悪かった場合、予備クラスの受講、ならびにGMATやGREという大学院進学用テストの要求点数を釣り上げられるところでした。

きついことを付け加えさせていただくと、頑張っても母国の大学で良い成績を取れない大学生は、大学院留学を考え直した方がいいかもしれません。母国で勉強のできない人は、外国でもできません。

さらに、大学院進学の場合、大学時代の教授からの推薦状が複数必要になります。私は大学時代から懇意にしているゼミの大学教授に推薦状を依頼し、二つ返事で書いてもらいました。大学院進学を考えているならば、自分のゼミの大学教授と仲良くなっていることも必要です。

進学先の大学や大学院での単位互換を有利に行うために、履修する授業を数学、統計学、経済学、簿記などUniversalな内容にしておくこともコツのひとつです。実際、留学した際の単位互換で最も不利なのが実は英文科の学生です。英語の授業で単位互換が認められる上限が低いため、留学先で一般教養の授業の履修を求められるケースが多いです。

6.コンピューターの知識の習得

留学をしたらすべてのレポートはタイプ打ちが常識。大学院ではマージン(余白)も指定されることが多いです。大学教授によっては英語の間違いは受け付けてくれません。また日本とのやりとりはメール、SkypeFacetimeなどITを抜いて考えることはできません。

パソコンを現地で買うか、ノートパソコンを日本で買って持って行くことになりますが、トラブルが起きた際に自分でトラブルシュートができるように知識を習得しておくといいと思います。

自分のパソコンがトラブルになった際、友人にパソコンを貸してもらってさらに余計なトラブルになり、人間関係が悪化したという話も聞いたことがあります。自分のことは自分でやらなければいけない留学生活。自分のスキルを上げておきたいものです。

7+.他、雑多なこと

他に必要なことは、親知らずを抜いておく。健康診断と歯科検診。メガネ使用者は予備のメガネ。基本的な料理の知識の習得。基礎的な生活様式の確立(欲望に溺れず、限られたお金の中で生活する知恵があるか、基本的な身の回りのことが自分でできるか)。国際免許の取得など。

まとめ

以上のこと考えてみても、準備に数年の時間はかかると思います。留学は残念ながら、就職の「逃げ」にはなり得ません。

私は在米16年ですが、大学二年時から準備をしていなかったら、おそらく現在まで米国での生活を続けていないのではないかと思います。基礎的な生活能力が足りず、就職はおろか卒業もできなかったでしょう。

やはり留学は母国にいる時点で、すでに始まっているのです。

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命かげろう
命かげろう

初めまして!日本の大学を卒業した後、米国の大学院に留学し漂流し続けること10数年。今年で米国生活16年目になります。お笑い好きの40男が加齢臭を漂わしながら、ミシガン州デトロイト近郊から海外生活と留学の知恵や経験をお届けします。

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