100万リットルが約2ドル?安すぎるバンクーバーの水の販売料金
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2015年初め、大手飲料メーカーのネスレが、バンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州から、100万リットルにつき2.25ドルという破格の値段で水を買い占めていることがニュースになりました。ここでは、このニュースの詳細と、その後の動きについてレポートします。
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干ばつ、雨不足…水の大切さを実感する市民
現在、バンクーバーは最大規模の干ばつの真っ只中。暑さと乾燥のために、あちこちで山火事が発生し、屋外での火の使用禁止に加えて散水制限も出ています。いつもは水を何一つ不自由なく使えるバンクーバー市民たち(※1)の間でも、この最近の干ばつの影響で、水に対する意識がより一層高まっています。
問題になっている「Water Sustainability Act」とは?
CBCニュースによると(※2)、2016年1月から施行される「Water Sustainability Act」は、ブリティッシュコロンビア州の地下水を汲み出す企業に、100万リットルにつき2.25ドルを課すことを命じています。この費用は、実際の水の販売料金ではなく、水を汲み出すためのライセンス費なんだとか。ということは、水は「実質無料」?!
住民たちが「100万リットル=2.25ドルはどう考えても安すぎる」と思うのにも無理はありません。大手飲料メーカーのネスレは、この水を500mlのペットボトルに入れて、1ドル前後で販売しているのです。バンクーバーでは、ダウンタウンなどで抗議集会が相次いで開かれました。
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住民の署名で水の販売料金の見直し開始
バンクーバー・サン紙によると(※3)、水の販売料金の見直しを求めるインターネット上での署名活動によって、20万人以上の署名が集まりました。これを受けて、州知事も「Water Sustainability Act」の見直しを命じる結果に。
先ほど紹介したネスレは、年間2億6500万リットルの水を、わずか596.25ドルで「購入」。反対活動に参加している住民たちは、販売料金をもっと高くすることで、水の保全活動に使うための費用を捻出するべきだ、と主張しています。
ちなみに、渦中にあるネスレは、「当社は利用可能な水資源のうちの1%未満しか汲み出していないが、政府が水資源の管理のために必要とする費用を支払う用意がある」とコメントしています。
まとめ
良くも悪くも、今回の干ばつがきっかけで見直しが検討され始めた「Water Sustainability Act」。名前の通り、水資源をしっかり「Sustain(維持)」するための、法案の変更が待たれます。
※1 参照記事:水が豊富な都市・バンクーバーの「水」事情
※2 参照記事:Nestlé B.C. water deal too cheap, says NDP
※3 参照記事:B.C. to review rates charged to bottled-water companies after Nestlé backlash
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この記事を書いた人
Tea drinker, painter, traveler, skier and yogi. アメリカ、カナダ、デンマークなどに居住。現在は翻訳の仕事をしながら、イギリス南西部の田舎町でパートナーとその家族との5人+1匹暮らし。