トビタテ生が証明する「留学促進キャンペーン」の本当の価値--トビタテ!留学JAPAN第2回留学成果報告会レポート

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彼らのプレゼンはとにかく衝撃だった。自身の留学・インターン・ボランティア経験を語ることで、こんなにも人を共感させ、感動させることができるなんて…。トビタテ!留学JAPANの学生による留学成果報告の発表は、参加者それぞれの「留学」の価値観と人生観を大きく変える力を持っていました。各界の有名企業にメディア関係者、そして参加した学生たちに強い衝撃を与えたこのイベントについて大学生がレポートします。

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「2030年、私は国際橋梁事業の前線で世界の架け橋を作ります!」

会場 ステージ

「2030年、私は国際橋梁事業の前線で世界の架け橋を作ります!」

トビタテ生の最後のこの言葉に、
東洋大学の井上円了ホールには鳴りやまない拍手が響いた――。

留学成果報告会とは?

9月3日(土)、THE RYUGAKU編集部は「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム第2回留学成果報告会」を取材するため東洋大学白山キャンパスに集まりました。

2014年に開始され、日に日にその知名度と存在感を増している「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」(以下、トビタテ!)は、一言でいえば「学生自らが立案した実践活動重視の留学計画を支援する官民協働プロジェクト」です。

成果報告会 パンフレット

今年で第2回目となる留学成果報告会は、留学生の支援に協力した企業・団体・学校関係者に対し、帰国した派遣留学生(以下、トビタテ生)が留学で得た成果を報告するイベントです。

全国から大学生136名、高校生10名の派遣留学生が集い、それぞれの留学経験を5分間でプレゼンテーションします。優秀賞、最優秀賞などの賞もいくつか設けられ、トビタテ生が真剣に準備し取り組むコンテストでもあります。

今回このイベントのレポート記事を書かせていただくのは、早稲田大学3年生の佐藤果歩です。とても興奮し学び感動することになったこの1日の様子が、同じ学生である私にとってどのように映ったのか、感想を混じえてお伝えしたいと思います!

9時30分:開会オリエンテーション

開会式の様子

当日の朝、東洋大学の美しいキャンパスと、そこに続々と集まる支援企業やメディアの方々に私は少し圧倒されていました。「どんなすごいイベントになるのだろうか…。」井上円了ホールにて、開会オリエンテーションが始まったのは9時30分ごろでした。

突然ですが「グローバル人材とはどんな人材なのか」と聞かれて、みなさんはハッキリ答えられますか?私は言葉に詰まってしまいました。開会オリエンテーションではこの問いに対する答えとして、語学だけでなく2つのチカラが大切であるとお話がありました。

一つは「異文化理解活用力」。自分を含めたそれぞれの強みを理解し、引き出し、その相乗効果によって新しい価値を見出せる人材を指します。もう一つが「異文化理解発信力」で、これが特に重要。異文化はもちろん自国の伝統にも目を向け、それを適切に発信できる人材を指します。

活用するチカラと、発信するチカラ。今日はトビタテ生から、この2つのチカラをどうやって身につけていくべきなのか学びたいと思います!

開会オリエンテーションで話す、東洋大学 竹村 牧男学長

先輩が語る報告会の意義

オリエンテーションの最後には、去年の報告会でプレゼン経験をもつトビタテ生が登壇。去年ここで受け取った温かいコメントの書かれたポストイットを、それ以来ずっと手帳に貼って持ち歩いているのだそうです。その後彼女はポストイットの送り主の一人であった方の企業に就職が決まったことを報告しました。

トビタテ生を大いに励まし、さらにはこうした縁も結び付けるのがこの留学成果報告会の魅力の一つなんですね!

こんなところにもトビタテ生

オリエンテーションが終わると、早速トビタテ生たちの発表が始まるとのアナウンスが。「5分押しているので、開始は10時15分からになります!」

そうアナウンスするのは、実は少し先輩のトビタテ生。この報告会には、実際のトビタテ生も運営に携わっているのです。だからこそ、この会場を包む少しアットホームな雰囲気が生まれているのか…。しかも堂々としていてトラブルに対して機転もきく。トビタテ生、すごいです。

10時15分:8つの教室に分かれて各トビタテ生がプレゼン

発表開始

トビタテ!は、「理系、複合・融合系人材コース」「多様性人材コース」「新興国コース」「世界トップレベル大学等コース」「地域人材コース」「高校生コース」の6コースに分かれています。

発表テーマは、「20××年の私は…」若しくは「20××年、私の研究は…」(高校生コースは「私が留学から得たもの」)です。5分間で留学の背景、計画と実績、トビタテ!での気づきと学び、そして20××年に向けた行動宣言を発表します。

全部の発表を見たい!けれどもそういうわけにはいかないので、私たち編集部もここからは分かれて取材することに。

トビタテ生たちのプレゼン

教室に入ると、発表を控えたトビタテ生は緊張した面持ち。なんといっても審査員は企業の方で、登壇場所の目の前に着席。発表を聞く人も大人の方ばかり。緊張するのも当たり前です。

しかし発表が始まると一人ひとりの発表の個性と想いと成果内容の濃さに、あっという間に惹き込まれてしまいました。審査員の方もとてもフレンドリーにコメントや質問をトビタテ生に送り、彼らの想いを教室全体で共有していく感覚になりました。

企業の方からコメント

1.岩野 ちあきさん「劇場を開かれた場に!」

ハンブルク大学に交換留学をしながら、音楽学校も掛け持ちして音楽を演奏者・運営者の両側から学んだ岩野さん。日本ではアーティストと劇場、社会がバラバラに動いていると気づき、「2020年は人と人をつなぐアートマネージャーになる!」と話されていました。

現地で長期間経験を重ねたからこそ気付けたこと、ドイツの劇場の雰囲気や価値観から、自分の夢を見つけていく姿に、トビタテ!プログラムの意義を強く見出せました。

2.比嘉 愛七さん「私億万長者になります!国際的なマーケティングを学ぶ」

筆者の聞いた発表者の中でも、一番強く「お金」を語っていたであろう比嘉さん。そのインパクトの強さはインターン中のアポ獲得数や社内評価といった成果の具体性にも表れていました。

とことんビジネスに打ち込んだ彼女は、たくさんの出会いの中で「お金のために働かない、お金は働かせるもの」だと人生観を変える経験をします。こうして投資にも興味をもつようになった彼女の経緯をきいていうちに、こちらまでワクワクしてくるようでした。

3.石川 緋嘉子さん「途上国の生理事情調査とBOPビジネス体験」

フィリピンでの語学留学、ベトナムでのインターンシップを経てウガンダでは布ナプキンの作成を行った石川さん。留学の学びは「どんなに高い目標でも挑戦することの大切さ」、そして「目標を達成するためにPDCAを高速で回し、足を動かすこと」だと語っていました。

来年からは社会人としてアフリカで布ナプキンの普及に尽力したいと笑顔で話しており、留学での学びを確実に将来に繋げている姿が印象的でした。

発表 紙ナプキン

4.内野 真衣さん「いざ、カナダへ」

2020年の東京オリンピックに向けて、私たちはどんなことができるのか。2010年にバンクーバーオリンピックが開催されたカナダへ渡り、設備だけでなく人々のおもてなしについて調査を行った内野さん。

自らアポをとってスタジアムやホテルに足を運び、関係者にインタビューをしたバイタリティーは、東京オリンピックをいいものにしたいという内野さんの強い気持ちの現れだと感じました。

5.竹内 奈央さん「じぇじぇじぇ!びっくり大国「カンボジア」おら、東京さ帰りたくねぇ!」

大きなリュックサックとともに登場した竹内さん。実際にカンボジアで作られた陶器やかごに、会場の注目度も高まりました。カンボジアで伝統陶器復興プロジェクトに取組み、相手の立場に立って物事を考える大切さを学んだと話す言葉には、失敗経験から得た学びの重みがありました。

最後には「シス村」と名付けた村単位での姉妹都市交流プロジェクトを提案し、竹内さんの笑顔は会場全体を温かく包み込みました。

発表の様子 じぇじぇじぇ 陶器

その他魅力的なプレゼンの数々

中路 渚さんの留学成果プレゼンの様子

(↑中路 渚さん「高専とインドネシアをつなぎ、グローバル技術者学校に変えます!」)

細越 雄太さんの留学成果プレゼンの様子

(↑細越 雄太さん「農業のチカラで中学校を更生させたレストランでインターンしました!」)

羽野 絵利香さんの留学成果プレゼンの様子

(↑羽野 絵利香さん「カンボジアで起こることは、いつも自分の想像の斜め上です。」)

小松 秀正さんの留学成果プレゼンの様子

(↑小松 秀正さん「寮で日本料理をふるまったら『シェフ』のあだ名で人気者になりました!」)

岡村 拳さんの留学成果プレゼンの様子

(↑岡村 拳さん「日本人学生を留学に導けるスーパー教員になりたい」)

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13時20分:ポスターセッション開始

ポスターセッションの様子

気が付いたら13時ちょっと前。総勢146名の発表は2時間半のうちに、あっという間に終了しました。

次は地下のポスターセッション会場に移動です。ここでは、先ほど発表を見られなかったトビタテ生や、発表をきいて興味をもったトビタテ生からさらに話をきいたり、交流したりできる機会が設けられます。

ポスターセッション

トビタテ生はそれぞれ発表内容をまとめたポスター1枚を作成し、それを立てかけて場所につきます。参加者は自由にトビタテ生と交流し、コメントをすでに配布されているポストイットに書き込んでポスターに貼っていきます。また、この時間内にアンバサダー特別賞・エヴァンジェリスト特別賞の投票も行います。

活気にあふれるそのワケ

ポスターセッションの様子

驚くのは会場の広いこと広いこと!そして活気のすごいことすごいこと!

決してうるさいわけではないのです。しかし感じずにはいられないトビタテ生のもつ将来の可能性と、その可能性に興味をもち一緒に新しいモノを作っていきたいと思う人たちのパワーのようなものが、広い会場内に活気を生み出しているのです。

私たちインターン生も、積極的にトビタテ生に取材させていただきました。どのトビタテ生も自らの経験にしっかりとした軸をもち、言葉にして伝えるチカラや周りを巻きこむチカラが強いのでしょう、トビタテ生との交流はとても楽しく会話が弾みました。

ポスターも、パワーポイントとはまた違って非常に工夫を凝らしたものがたくさんありました。中には制服のトビタテ生も…高校生です!幼さが残りながらも生き生きと留学での経験を大勢の人たちに話している姿は、ひときわ目を引きました。

15時45分:代表派遣留学生による圧巻のプレゼン

代表発表者の発表

15時45分、会場はついにホールに戻ってまいりました。ここからは、各教室から審査員によって選ばれた9人の代表発表者がプレゼンテーションを行います。

審査の観点は、
①トビタテ!での成長(挑戦や苦労)
②今後への期待(学びを次に活かそうとする姿勢)
③発表準備の姿勢
の3つです。

1.藤田 南さん「海外の医療現場を見て広がった視野と夢」

「海外の医療現場を見て広がった視野と夢」の発表をする藤田さん
藤井さんの発表 表情

看護学校に通う彼女は「視野を広げてから看護師になりたい」とオーストラリアに16日間の留学をしました。短い期間でも発見できたことは大きく、そしてグローバル化する日本において活躍できる看護師になるため、さらにスキルアップしたいという意気込みも語りました。

2.儀賀 大己さん「世界各地で人と人とをつなぐ架け橋をつくる」

「世界各地で人と人とをつなぐ架け橋をつくる」を発表する儀賀さん
儀賀さんの発表 表情

国際的技術者になって日本が誇る橋の技術を海外展開したい、という思いからトルコに渡りIZMIT湾横断橋建設の多国籍プロジェクトにインターン生として参加した儀賀さん。何もできない自分に自信をなくした時、上司からかけられた「You are an engineer.(自覚をもて)」の言葉に突き動かされ、自ら進んで仕事を工夫し広げていくことで、現地の人から「ギガンベイ」のあだ名で呼ばれるまでに信頼を得ていったことを語りました。

「何ができないのかではなく、何ができるのか。」信頼を獲得した末に儀賀さんが実現させたプロジェクトのアツい結末に、会場では感嘆の声が幾度となくあがりました。

3.依田 みなみさん「女性○○と言われない、日本の強みをITに活かせる社会を」

「女性○○と言われない、日本の強みをITに活かせる社会を」を発表する依田さん
依田さんの発表 表情

幼いころから女性プログラマーとして注目を浴びてきた依田さんは、日本のインターン先で周囲の自分への見方に疑問を感じ、フランスへの渡航を決めました。性別で甘やかされず自分の専門知識と実力を評価され生き生きと働く環境に、自分のありのままの強さを見つけることができたと語りました。

途中で思いが溢れそうになりながらも、ひとつひとつのエピソードに心を込めて語ろうとする姿に、自分らしさを大切にする強さを感じました。

4.後藤 正太郎さん「子どもたちが下痢症で命を落とさない世界に!」

「子どもたちが下痢症で命を落とさない世界に!」を発表する後藤さん
後藤さんの発表 表情

バングラディシュに渡り、自分の専門分野を生かして衛生問題の状況を研究する予定の留学でしたが、悔しくもテロの発生により途中帰国する結果となった後藤さん。悔しさがこみ上げるような語りでありながら、自分にとって研究が本当にやりたいことであること、死は人から笑顔をこんなにも奪うものだということを再認識することができたと話し、それを次へと繋げる意志が誰よりも強く伝わってきた発表が共感を呼びました。

5.伊達 文香さん「途上国の女性に支援ではなく、働く誇りを」

「途上国の女性に支援ではなく、働く誇りを」を発表する伊達さん
加藤さんの発表 表情

ふと気が付いた、美しく着飾ったインド人女性の悲しい表情。男尊女卑の文化が強く人身売買の被害に苦しむ女性を助けたい、という思いで伊達さんはインドに渡りました。自分の興味分野、ファッションを活かして、インターン先のNGOとともにファッションショーを実現させた経験が、今彼女の起業に結びついています。

途上国の女の子と、先進国の女の子を「かわいい」でつなぐ。彼女の自信にあふれるビジネスプランに、会場全員が惹きつけられました。

6.川嶋 菜々美さん「一流のスピーチライターを目指して」

「一流のスピーチライターを目指して」を発表する川嶋さん
川嶋さんの発表 表情

パリ政治学院、国際研究センターで、一流のスピーチライターになるべく知識、表現力、感性を磨いた川嶋さん。「多様性の鍵は、人間性への洞察」であると語った彼女は、学問と政策実務、報道の乖離をなくすために、異なる視点や価値観と政策の情報を共有できるコミュニケーションの仕組みを生み出したいと話しました。

7.西川 唯さん「DV家庭で育った子どもが笑顔で暮らせる未来を築く」

「DV家庭で育った子どもが笑顔で暮らせる未来を築く」を発表する西川さん
西川さんの発表 表情

プレゼンの第一声でこれほど会場の空気を変えたトビタテ生はいないかもしれません。DV(ドメスティック・バイオレンス)に苦しむ子どもを救いたい、という強い意志をもち、自ら立てた仮説からカナダに渡った西川さん。「迷わずトビ込め!」の姿勢を大切にし、たくさんの経験をした彼女の発表をきいて応援せずにはいられなくなりました。

8.加藤 理子さん「みなさんの自然な「美味しい!」と小腹を守ります!」

「みなさんの自然な「美味しい!」と小腹を守ります!」を発表する加藤さん
加藤さんの発表 表情

摂食障害の経験から、ローフード(Raw Food)料理留学をした加藤さん。実践を重ねて専門性を深めた彼女は、Vegan(菜食主義)の人々のためのレストランと料理教室を夢として語りました。「罪悪感のない食事で、脳を癒してあげます」といった魅力的な言葉の数々に、人々の心を掴む上手さを感じました。

9.矢津田 昭仁さん「Proactiveを大切に、大分から世界へ」

「Proactiveを大切に、大分から世界へ」を発表する矢津田さん
矢津田さんの発表 表情

大分からアメリカ、カリフォルニアに飛んだ矢津田さん。現地で初めて出会った言葉「Proactive」から、何事も積極的に自分から求めていく姿勢こそが自分に足りていないものだと気づいたと語りました。帰国後もこの言葉を大切に、大分から世界に飛び立つ人材を増やすための活動を続けたいと宣言しました。

17時15分:結果発表

代表発表者のポスターセッションをはさみ、表彰式がはじまります!その結果は…

アンバサダー特別賞

大野 礼奈さん「海と夢と私~元ビリギャルの研究留学~」

※アンバサダー特別賞は、留学先で日本の良さを発信し、日本への関心を高める活動をおこなったトビタテ生に送られます。

 

エヴァンジェリスト特別賞

平良 美奈子さん「技術力を持つ沖縄高専生の海外留学先の開拓」

※エヴァンジェリスト特別賞は、自身の留学活動の内容を広く社会に発信することで留学の良さを知ってもらい、その関心を高める活動をおこなったトビタテ生に送られます。

上の2つの賞は、当日の投票によって選ばれました!おめでとうございます!!次は代表発表者の中から選ばれる賞の発表です!

◎優秀賞◎

伊達 文香さん「インドで行うファッションショーから始まるソーシャルビジネスへの挑戦」

伊達さん 表彰 握手

そして…

◉最優秀賞◉

儀賀 大己さん「世界最大の吊橋架設現場で国際的技術者となる礎を作る」

儀賀さん 表彰

総勢146名のトビタテ生のトップに輝いたのは、会場全員の笑いも感動も掴んだ「ギガンベイ」こと儀賀 大己さんでした。

こうしてついに第2回留学成果報告会の受賞者が決定!受賞された方々の笑顔がとっても素敵です。一気に熱気を帯びた会場。受賞者のみなさん、本当におめでとうございます!!(この2人以外の代表派遣留学生と高校生コースのトビタテ生全員は「優良賞」を受賞しました。)

観客 拍手

(↑受賞者以外にも、素晴らしいプレゼンを披露したトビタテ生に拍手が送られました。)

総評の言葉から考えるトビタテ!の本質

表彰 記念撮影

最優秀賞が発表されると、割れるような拍手が井上円了ホールに響き渡り、その感動がしばらく止むことはありませんでした――。

賞を取ったトビタテ生に共通することは何だったのでしょうか。彼らにとって留学とは、トビタテ!とはどんな価値をもつものなのでしょうか。私は閉会式での総評の言葉に、そのヒントがあるように思います。

自らのチカラで困難を乗り越え、セカイを変えていくこと

儀賀さんの橋にかける想い。困難を自らのチカラで乗り越え、信頼を得ていった経験は、トビタテ生の鑑だと言える。伊達さんは留学の経験を実際にビジネスに結び付けるロールモデルを提示してくれた。今回トビタテ!の仕組みは世の中を変えていくきっかけになることを確信できました。

ソフトバンクグループ株式会社 執行役員(人事、総務、社長室統括) 青野 史寛氏)

(↑ソフトバンクグループ株式会社 執行役員(人事、総務、社長室統括) 青野 史寛氏)

トビタテ!の留学は、トビタテ生の「成長」を大切にしていると私は感じました。困難にぶち当たりながら、自らの工夫と努力でそれを乗り越えた経験を、いかに観客を置いてけぼりにしないで伝えられるかどうかが、賞を決めるポイントになったのではないでしょうか。

私は全部のプレゼンを見たわけではありません。ですが、アツい想いをもって留学経験を報告していた点はすべてのトビタテ生に共通しているのではないかと思います。しかしその中でも、留学中どのように「自分らしく成長できたのか」を伝えられたのが儀賀さん。そして留学中の経験を次どのように活かしていくのか伝え観客を「ワクワク期待させられ」たのが伊達さん。これが今回の審査ポイントにぴったりと当てはまり評価につながったのでしょう。

家族のようなコミュニティーが作り上げる「国家プロジェクト」

ここにいる仲間たちの温度感、信頼感、尊敬しあう心がすごい。そんなネットワークが海外へと広がり、継続していくことが世界を変えるエネルギーになると思います。

文部科学大臣政務官 樋口 尚也氏

(↑文部科学大臣政務官 樋口 尚也氏)

トビタテ生の繋がりはどんどん広がり大きなものになっています。冒頭では先輩トビタテ生が運営を行っていることにも触れました。また表彰式で受賞者に対する温かい拍手と言葉が一番響いたのは、トビタテ生のいた座席でした。

トビタテ生だけではありません。今日一日、力強く優しい拍手と言葉をかける企業の方々、そして特別アツい想いでプロジェクトを創っているトビタテ!留学JAPANの方々。すべての人々のチカラと想いが結集されてこの「国家プロジェクト」は進んでいるのだと感じました。

ある有名企業の社長さんに、人生のハイライトは?とお聞きしたことがあります。その方は「留学です」と答えられました。留学中に得た人脈、知識がその後展開していったからこそ今があるのだ、と。

留学とは、人生を変える「自分にとって最大のプロジェクト」になり得ます。

運も実力のうち、というが、運 "が" 実力。その運をもたらしてくれた人たちの支援を実感し、感謝することができるかできないかが重要です。

受賞者が受賞後に口をそろえて語ったのは「感謝」の言葉でした。

トビタテ!は「社会問題を解決するプロジェクト」

トビタテ!は「社会問題を解決するプロジェクト」です。社会人になってもその志を止めずに、日本と世界をつなぐプロジェクトになるようにしたい。

トビタテ!留学JAPAN プロジェクトディレクター 船橋力氏

(↑トビタテ!留学JAPAN プロジェクトディレクター 船橋力氏)

トビタテ!は「きみが留学する、という国家プロジェクト」と言われますが、国家プロジェクトになり得るのはなぜなのか…。それは将来、トビタテ生が社会問題を解決し幸せな社会へと変えていく、日本と世界をもっと結びつけていく、その可能性を育てるプロジェクトだからなのだと確信しました。

参加者の感想

日本の明るい未来を会場にいる参加者みんなの夢として共有したような、心地よい興奮のもと第2回留学成果報告会は幕を閉じました。

終了後、このイベントに見学に来ていた大学生と企業の方に感想をお聞きしました。

大学1年生の声
代表派遣留学生のプレゼンを聞いて、みなさんそれぞれ自分の本当に好きなこと、やりたいことを持っているなと感じました。どこで何をするにも指針となる軸をしっかり持っていることが、トビタテ生の強みなんだと思いました。

大学3年生の声
どの学生も、きちんと目的意識を持って留学し、その目標を達成して帰国している点がすごいと思いました。また、多くの学生がプレゼンテーションで「たくさんの人に支えてもらった」と言っていたことから、留学中に作る友人や人脈の大切さも再認識しました。

大学4年生の声
よく、「最近の若者は内向きだ」とか「何事に関してもやる気がない」なんて声を聞くことがありますが、成果報告会の取材を通して思わず「そんなことはない!」と声を大にして言いたくなりました。トビタテ留学JAPANの留学生はそれぞれが自分のやりたいこと、そして社会問題に関して熱意をもって取り組んでいて、エネルギーが満ちあふれていました。そしてそんな仲間たちをお互いが応援している様子から、コミュニティーの絆を感じました。私も負けていられない!そんな気持ちになった1日でした。

企業の方の声
それぞれのトビタテ生が、それぞれに感じた「社会問題」の解決に向けて取り組む、その姿勢に、学生というフィルタを抜きにひとりの人間として尊敬を抱きました。トビタテ!留学JAPANは単なる「留学促進キャンペーン」ではなく、学生たちが社会問題を解決するために「留学」をツールとして活用した、地球規模の社会活動であると感じました。日本の未来、地球の未来は本当に明るいと確信しました。

編集部コメント

いかがでしたでしょうか?これから留学をしようと考えている私にとって、このイベントは「留学をしたい」ではなくて「留学で何をしたいのか」を深く考えなければならないと再認識させてくれる機会になりました。

そして気付いたのは、トビタテ!は私の想像以上に温かく、アツい、官民協働国家プロジェクトだったということ。トビタテ生との横のつながり、先輩後輩との縦のつながり、企業の方とのつながり、海外とのつながり…。ネットワークはどんどん広がり、可能性はどんどん大きくなります。学生にとってここまで大きな財産を、トビタテ!以外にどこで手に入れられるのでしょうか?

私もトビタテ!プロジェクトに携わりたい。その一言に尽きるご報告となりました。みなさんにとってもこの記事が自分にとっての「留学」を考え直すきっかけになったら嬉しく思います。

最後までお読み下さりありがとうございました!

ライター

佐藤果歩(さとうかほ)/ 早稲田大学3年 / アブログインターン生

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THE RYUGAKU [ザ・留学] 編集部です。留学コニュニティサイト『アブログ』も運営しています。

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