イギリス人って本当にフィッシュアンドチップスが好きなの?本場から送る面白事情10選
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イギリスといえばフィッシュアンドチップスと皆が言うけれど、現地の事情はどうなんだろう?どんな魚が使われているの?フィッシュアンドチップスの歴史や伝統的食べ方など、フィッシュアンドチップスに関するさまざまなことをまとめました。
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1.フィッシュアンドチップスのルーツは?
一番最初に魚の揚げ物をイギリスに持ち込んだのはスペイン系ユダヤ人だと言われています。その後産業革命により鉄道が発達したことによって、港町を含む各都市への物質の輸送がより早くできるようになり、それに伴い魚も新鮮なものが流通するようになったそうです。
そのまま焼いて食べては?と思うのですが、イギリスの方には魚が苦手な方も多く、淡白すぎて満腹にならないし、揚げたら割りと日持ちもするし匂いも気にならない。そんな事情もあったのかもしれませんね。
揚げたジャガイモ(チップス)が生まれたのも同じ時代だったといわれています。イギリスで芋を主食にしていたのは昔は北部の人たちだったというのも驚きですね、今では皆が大好き、国民フードであります。
当時の労働者は、腹持ちがよく手軽に持ち運べてさっと安く購入できる食べ物をを好んでいたため、その当時(今でもですが)は、肉に比べて割高であった魚が流通し始め、人気を集めたのではという説もあります。
2.スーパーでも売られているって本当?
本当です。スーパーの棚には「魚だけ衣をつけて半分揚げたからオーブンでかりっとさせてチップスは用意してね!」と注意書きされている揚げた魚がずらっと棚を占領し、他にも「オーブンで温めるだけ、チップスもついてるよ!」と書かれた半出来上がり品パック入りのものや、オーブンに放り込むだけの冷凍品もたくさん並んでいます。
チップスも冷凍、冷蔵ともにやはり「オーブンに入れるだけ」のものが売られています。
もちろん切り身で生の魚も売られていますが、揚げた魚コーナーがこんなに充実しているのはイギリスらしい光景です。
3.観光地で食べたけれど美味しくなかったよ?
「ロンドン1のフィッシュアンドチップス!」などと看板にあるような観光地のパブや、フィッシュアンドチップスを売りにして内装だけ豪華に値段を吊り上げたようなお店で、筆者は美味しいフィッシュアンドチップスを食べた記憶が10年で一度もありません。
そういうお店はたいてい冷凍を揚げ直しているか、オーブンや電子レンジで温めただけのものが出てきています。確かに揚げ物+揚げ物の組み合わせは元々日本人には「な、なぜ?」と厳しいものがありますが、それを引いても酷いものを出している観光客目当てのお店はわんさかあります。
4.フィッシュアンドチップスのスタンドにはどんなものが置いてあるの?
さまざまですが、もちろんフィッシュアンドチップス、魚の種類やサイズも選べます。フィッシュアンドチップスに欠かせないマッシーピー(marrowfat peasと呼ばれる豆を乾燥させたものがあり、それを戻して調理したどろどろの緑色のもの)、野菜や卵のピクルスなどの付け合せがあることもあります。
それにチキンのフライやウィンナー(イギリス式のソーセージではなく、ホットドッグに使われるようなもの)があったり、カレーやグレイビーなどさまざまなソースも用意されています。
5.パブでも食べられる?
食べられます。むしろかなりの確立で置いてあると思います。
先ほどご紹介した冷凍品を使うお店から、料理が美味しいお店ではかりっとした衣も付け合せも、チップスも手作りで作られた熱々ホクホクのものを食べられる場合もあります。
そういったお店ではタルタルソースやレモンのみが添えられたりします。
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6.海が見える街にいくとフィッシュアンドチップスのお店がいっぱいって本当?
イギリスの港町をいくつか旅しましたが、筆者が訪れた街には海辺にスタンドがあったり、街中にも伝統的なお店がたくさん目立つ場所が多かったです。
以前の記事、イギリス人が選ぶ「私の好きなイギリス料理」トップ10の中でも、「シーサイドで食べるフィッシュアンドチップス」が好きだというイギリス人も多いとご紹介しましたが、値段もうんとロンドンより安く、量も「一人前じゃないよね?」というようなものを皆が頬張っているのを良く見かけました。
7.使われている魚はどんなものがあるの?
イギリスでは「cod」、「haddock」と呼ばれるタラの一種がメインですが、その他には、カレイの一種「place」など、こだわるお店だと「lemon sole(カレイ科の魚の一種、ムニエルなどにして食べられたりします。)」その他、色々とあります。
最近は伝統的なcod、haddockの変わりに「pollock」や「coley」といったタラ科の魚を使うお店も増えているとのことです。
8.伝統的な食べ方は?
昔は牛脂やラードで揚げられていたようですが、今ではサラダ油が多いようです。チップスは「ステーキ・フライ」と呼ばれることもある太目のものが主流です。
衣は伝統的には小麦粉と水に重曹を少し加えたものが使われていたようですが、水の代わりにビールを使う場合もあります。
出来上がったフィッシュアンドチップスにモルトビネガー、塩をふりかけ、先ほどのマッシィピーを添えるのが伝統的な食べ方だと言われています。
9.美味しいお店を見つけるには?
観光地の「ロンドン1のフィッシュアンドチップス」と書かれたパブの看板は無視して、できればお住まいの地域、もしくは観光でご滞在ならホテルや通りすがりの住宅街の近くで持ち帰りされると良いでしょう。
目印は、ランチタイムのビジネスマンや、会社帰り、学校帰りのローカルの人々が列を成しているお店です。また、ガストロパブや専門店でも、評判の良いお店がネットで容易に見つけられますからどうぞご活用ください。観光地でもいくつか本当に美味しいお店があります。
10.金曜日に食べる人が多いって本当?
これはカトリック教徒の人々が金曜日は肉を食べないという習慣があり、その名残りで金曜日にフィッシュアンドチップスを食べる文化が根付いたという説があります。
友人のイギリス人も「金曜日はフィッシュアンドチップスの日」と決めている人も多く、またパブでも「フィッシュ・フライデー」などとお得なセットが提供されたりします。
まとめ
いかがでしたでしょうか、お楽しみいただけましたか?美味しいフィッシュ&チップスのお店はまたの機会にご紹介したく思います。
皆様の留学生活を心より応援しています。
Have a lovely day!
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この記事を書いた人
イギリスのロンドンはウィンブルドンに住んで9年目です。元ハリーポッターに出演していた夫(南アとオランダのダブル国籍です)と二人暮らしです。私がいっぱい涙が出るくらい恥ずかしい思いをしつつ経験してきた生活の知恵、英語の言い回し、イギリスの穴場やこぼれ話をお届けできたら嬉しいです。またBAFTAの試写会でのセレブリティーの写真もご紹介できたらと思います。