ロンドン在住10年の日本人女性が語るロンドンの魅力12選
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ロンドンは世界の中でも「観光に訪れたい街」に常にランクインするなど、たくさんの人を魅了しています。実際に街を歩けば世界中からの観光客の方々でいつも賑やかで、カメラを持ち嬉しそうに写真を撮られる姿を見ながら、住んでいる私はその中を駆け足で素通りしたりしています。
それでは、在英10年の筆者が見たロンドンの魅力をたっぶりお届けします!
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1.世界的に有名なアイコンがいっぱい
ロンドンと聞いたら何を思い浮かべますか?この街にはあまりに有名なアイコンの数々が溢れています。
真っ赤な電話ボックス、郵便ポスト、2階からの見晴らしが楽しいロンドンバス、どっしりクラシックで頼もしいロンドンタクシー通称「ブラックキャブ」、「tube」と呼ばれるロンドン地下鉄に名物のプラットホームのギャップ、高い帽子のお人形さんみたいな王室の近衛兵などなど。
ポストカードで見るようなそれらが日常に普通に現れ、その中で暮らす。それが不思議な感覚で楽しくもあります。
2.映画やテレビドラマのロケ地が日常に
アイコンと言えば「007」のジェームス・ボンド、さまざまなバージョンが繰り返し作れるコナン・ドイルの小説「シャーロック・ホームズ」など、ロンドンを舞台にした映画や小説の有名キャラクターには今も熱烈なファンが。
ロンドンのキングス・クロス駅にはあの「ハリー・ポッター」でハリーが乗るホグワーツ特急が発車する9と3/4番線にちなんだ、カートが壁に埋まったファンにはたまらないモチーフも飾られています。
ロンドンでの生活がたっぷりの「ブリジット・ジョーンズの日記」、「ノッティンヒルの恋人」などロンドンを舞台にした映画やテレビドラマも数えきれず。
映画「ラブ・アクチャリー」だけ見てみても、ロンドンへの入り口のヒースロー空港や、首相官邸のダイニング街10番地、筆者もよく歩くテムズ川の畔のサウス・バンクエリアに、有名デパート「Selfridges 」、美しい「Somerset House」に高級住宅街メイフェアーにある「Grosvenor Chapel」などなど、ロケに使われた場所は挙げたらキリがないほど。
作品の中でロンドンの風景が出現するために「あ、ロンドンだ!」と、映画館などでウキッとなるのです。
「ミッション・インポッシブル/ローグ・ネイション」や「007」を観た後の帰り道に、つい先ほど映画の中では爆破された筈の場所や、イーサンやボンドが佇んだり駆け回っていた橋や道を歩くのはとても不思議な気分。
「シャーロック」などに出てくるピカデリー・サーカスはロンドンに住んだら一度は訪れる場所でしょう。日常的に、そこに映画の風景が広がるのもロンドン生活の醍醐味です。
これは書き出したら止まらないので、「あの映画は?」と言う皆様、どうぞお許しくださいませ。ご紹介したら記事がこの話で埋まってしまいそうです!
3.素晴らしい観光地の数々が普通に歩きながら観られる
ロンドンはそれほど大きな街ではありません。地下鉄に乗っているとわかりませんが、歩いてみると意外に「あれ?何度もエレベーターを乗り降りしてグルグル構内乗り継ぎするより、歩いた方が楽かも。」と言う距離のルートもあるのです。
例えば、かつてはユーロスターの華々しい発着駅であったWaterloo駅(今ではst pancras station)そこを拠点にまず北に向かって歩きます。すると、すぐに巨大観覧車ロンドン・アイにロイヤル・フェスティバル・ホールが見えてきてます。
日によってはストリートフード・マーケットが開かれたり、クリスマス時期にはクリスマス・マーケットなど、いつも賑やかなサウスバンクを抜け、テムズ川にかかる橋を渡るとストリート・ミュージシャンが演奏するバグ・パイプの音色と共に対岸にビッグ・ベンや、国会議事堂などが連なる美しい風景が広がります。
また、東の金融街シティエリア、セントポール寺院なども遠目に眺めることができます。
橋を渡りしばし歩けば、すぐに美しいチャリング・クロス駅の外観が現れ、さらには有名なナショナル・ギャラリーやナショナル・ポートレイト・ギャラリーがあり、広場そのものも有名なトラファルガー・スクウェアが出現します。
ストリート・パフォーマンスをする人々で賑わっていますが、撮影や眺めていくにはチップを払わないと失礼。筆者は足早にいつも立ち去ってしまうのですが、たまには一緒に楽しむのも良いかもしれません!
広場を横切りちょいちょいと進めば、もうそこはピカデリー・サーカスです。エロスの像に登ったり腰かける人々、有名なピカデリー・サーカス駅前の電工掲示板、買い物する人で賑わうRegent Streetや、常に新しい流行や安くて美味しいグルメに溢れるSOHOエリアに目移りしていると、気がついたら紅茶で有名な老舗のデパート「The Fortnum & Mason」があるグリーン・パークや、建物自体が美しく歴史のあるデパート「liberty」があるオックスフォード・サーカスに着いてしまいます。
また、方向は違いますが、ピカデリー・サーカスからはチャイナタウンやコベント・ガーデン、映画のプレミアで有名なレスター・スクウェアまでもあっという間の徒歩圏内。歩いた方が楽なのです。
東に行けばタワー・オブ・ロンドンやタワー・ヒル、セント・ポール寺院にストランド辺りの重厚な昔ながらのロンドンの佇まい、または違うエリアには有名なバッキンガム・パレスやケンジントン・ガーデン&パレス、デパート「ハロッズ」などなど。
挙げたらきりがないほどの魅力がある長い歴史を持つロンドン。建物もはっとするくらい美しい建築があちらこちらに普通にあります。パブの建物なども重厚で驚くほど古いものもたくさんありますから、ロンドンはただの街歩きもうんと楽しいのです。
4.多くの美術館や博物館が無料で楽しめる
全部見ようと思ったら一日どころか数日でも怪しい、数週間かかるのではないかと言う規模の大英博物館、何と無料なんです。
他にもナショナル・ギャラリーや、ポートレイト・ギャラリー、テート・ブリテン・モダン、ヴィクトリア・アルバート博物館、自然史博物館、科学博物、ロンドン博物館などなど、まだまだたくさんありますが、全部無料です!
国立の博物館や美術館は無料で解放されていて、入り口や各所におかれる寄付ボックスにお金を入れるのも入れないのも個人の自由です。
物価の高いロンドンで、留学しながらも楽しみたい、人と交わりたい、静かに考え事をしたいなど、芸術に興味がないのに無料だからと、何となく人恋しかったり、静かに過ごしたくて通っていたら、アートが大好きになったとか、やたらエジプトの歴史に詳しくなったなんて人を何人も知っています。
筆者もよく留学中は手紙を書きに通いました。ゴッホやレンブラント、ルノワールの絵や、紀元前の彫刻が見える場所から日本の家族に何度も手紙を書く時間は、自分と向き合う貴重な一時となりました。
また、併設のカフェも気軽に利用でき、長居するのにはもってこいです。スケッチブックを抱えながら、絵の付近に座り込んでいる方々をたくさん見かけます。
無料だからせわしく見ずに何度も通えるおかげで、芸術や知識に囲まれたゆっくりとした時間がロンドンには流れています。
5.世界の文化に触れることができる
ロンドンには世界中からの移民がたくさん集まり、地域によってはそのコミュニティが成り立っています。
モスクが建つ場所があったり、ジャパンセンターなどが日本の食材や商品を扱うように、ありとあらゆる国の食材店やレストランがあり、さまざまな国の人々、文化、言語が溢れています。
学校では世界中からの留学生によりクラスも国際色豊か。イギリスだけじゃない他の文化を知る良い機会になることでしょう。
また、世界の情勢やしきたりにも常にアンテナを張っておかないと、学校や職場、社会や街、知り合いや友人との関わりの中で失礼を働いてしまうことも多いため、必然的に目が向くようになります。
日本にいたらよほどの興味を持ち自分で調べなければ知る機会がなかったことや、見逃して過ごしてしまって来たことも、隣人やクラスメイト、ハウスシェアの仲間が国際色豊かである可能性が高いロンドンでは、自然と心に響いてきます。教養と共に、更に人として豊かになるチャンスではと思います。
また、余談ではありますが、各国の本格的グルメを満喫できるのもこの街の魅力です。レストランでは、その国からの学生さんや移民の方々がたくさん働いていますから、本場さながらの味わいがロンドンにいて楽しめますよ!
6.緑や自然が身近にある
ロンドンには8つの王立公園をはじめ、あらゆる場所に緑があります。中心部にもたくさんあるため、ランチタイムにはオフィスやクラスから離れ、芝生の感触や木漏れ日、落ち葉を楽しむ人で和やかです。
特に夏には人々が思い思いに寝そべったり、本を読んだり。冬には白い息を吐きながら、静かに散策する人も。
筆者が通っていた学校はピカデリー・サーカスにありましたが、あっという間に広大な王立公園に行けましたから、お天気の良い日には芝生の上で授業を受けたものです。
また、クラスメイトと学校帰りにテイクアウェイを抱え、スーパーのワインを鞄に放り込み、皆でピクニックをしたり。
木に駆け上がるリスや、優雅に小川をいく白鳥やダック、可愛らしいたくさんの小鳥のさえずりに来た当初は感動しましたが、今では毎日庭でリスや狐を見るために、ロンドンに住みながら皆が思う「それ、普通。」という、自然と共に街で共存する生活に慣れてしまいました。
緑のある生活は、イギリス人や文化を知るためには欠かせないものです。ガーデニングも盛んな国だけあって、夏にはロンドンの人々の住まいの前にもかわいらしい花々が溢れ、歩いているだけで優しい気持ちになります。
冬でも何となく緑の芝生を通学中に歩けるロンドン。常に目にする緑が、大きな近所の木々や花が、駆け抜けるリスたちが、少し疲れたときには強く貴方の味方になって支えてくれることと思います。
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7.王室関係のお祝い事で街がひとつになる
イギリス人の人口率が少ないロンドンですが、王室関係のお祝い事があると街全体がウキウキと華やかになります。
特に国民を始めたくさんの人に愛されるエリザベス女王の誕生日や、ロイヤル・ウェディングなどの際には、バッキンガム・パレスの近くでストリート・パーティが行われたり、オックスフォード・ストリートなど、各所でユニオン・ジャックが掲げられ、街にはお祝い事にちなんだ限定のアフタヌーンティーや、ショートブレッドにお茶、ケーキなどの商品が出現します。
何となく街一体が皆で幸せ気分になれるのも、愛される王室あってのことかと思います。
8.あまりにも皆が個性的で疎外感を感じない
ロンドンから他の国の街に引っ越した友人がこんなことを言いました。
「離れてみて初めてわかった、ロンドンには世界中から色々な人が溢れて、皆それぞれが全く違う。民族衣装も、訛りもあちこちに溢れていて、私が外国人であることを気にする人もいない。皆が違うから、孤独や疎外感を感じなかった。恵まれていたと今更気がついた。」
筆者がロンドンにはじめてきた10年前に、近所の小さなストアの方が話す英語が全くわからずに、ものすごく落ち込みました。私は英語ができない、この国では半人前なんだと。頭をガツンと殴られた思いでした。
それが10年も住んでいると、25年もイギリスにいるのにフレンチ訛りがしっかり残っている友人や、興奮すると英語とイタリア語が混ざってくる知り合いなど、色々な人が周りに増えてきてようやく解りました。
イギリス人同士でも地域によってはお互い分かりづらい訛りの英語が山ほど存在するイギリスで、更には外国からの人々がわんさかいて、英語が分からなかったんじゃない、訛りがわからなかったんだと。
皆が皆、ロンドンで英語を完璧に話すわけではありません。それこそ英語を全く話せずに暮らしている人々もたくさんいます。
ですが、皆、それを気にするわけでもなくしっかり生きています。留学する際に語学力に不安があったり、恥ずかしい思いをするのではと心配するあなたには、是非ロンドンにお越しくださいとお薦めしたいです。
皆がそれぞれの生き方、訛り、国の習慣を捨てずにこの街で生きています。あなたが孤独や不安を感じることは、皆も同じく感じているのです。一人じゃありません。誰もあなたのアクセントを笑ったり、批判したりしませんし、strangerとして後ろ指を指されることもない、それがロンドンです。
9.街や人々にユーモアが溢れている
これまでロンドンに住んでいる利点ばかりあげましたが、もちろん大変なこともたくさんあります。特に何でも便利できちんと整った日本から来ると、ロンドンに限らず、さまざまな国でかなりのサバイバル体験をする羽目になるかもしれません。
ロンドンに限っては、天候に恵まれない、雨があなたのお友達、ああ、きっちり動かないでしょっちゅうダイヤが乱れサービスを停止する公共交通機関も忘れてはいけません。
ですが、ロンドンの人はいつも静かにそれをユーモアとゆとりをもって受け入れています。TV番組で夏のBBQを中継したら、突然の豪雨にキャスターの傘が飛んでいくハプニングが。ですが「伝統的なイギリスのBBQをお伝えしました。」と、皆がそれすらユーモアを持ち楽しんでしまうことに笑みがこぼれました。
電車が動かずイライラの私に、ロンドナーの男性はウィンクしながらこう言いました。「コーヒーを飲む時間ができた、やったね。」
怒るわけでもなく文句も言わず、ひたすら「ふーん」とユーモアを交えながら受け止めていく彼らの穏やかさや生き方。眉間にシワばかり寄せジタバタしていた私の生き方までも随分と楽にしてくれました。
また、都会であるのに人が気軽に声を掛け合ったり助け合う姿を多く見るのも私がロンドンが好きな理由のひとつです。スーパーでおばあさんにイギリス料理の作り方やわからない野菜の調理方法を教えてもらったりなど、筆者もたくさん思い出があります。
10.一流のエンターテイメント触れることができる
ロンドンをスルーする有名なバンドやオーケストラ、パフォーマンス団体は殆どいないのではないでしょうか。
世界に誇るロックスターなどがたくさんいるロンドン。亡くなられたデヴィッド・ボウイはブリクストンと言うロンドンの街から世界に羽ばたきました。
今でもロンドンのあちこちでは、カムデンやブリクストンなどを始めたくさんのライブが開かれますし、O2アリーナやウェンブリー・スタジアム、ロイヤル・アルバート・ポールなどの大きな会場には世界からたくさんのスターが公演に訪れます。
また、あちこちで行われるクラシック・コンサート、オペラにバレエ、日本で観たら信じられないお値段になるような指揮者やオーケストラも大変お値打ちですし、歴史と共に歩んできた美しい劇場の中でそれらを味わうと、思わず自分がいつの時代にいるのか分からなくなります。
有名なウェスト・エンドでは「レ・ミゼラブル」「オペラ座の怪人」「ライオン・キング」など、日本でもお馴染みのロングランミュージカル作品や、また元気な新しいミュージカルもどんどん生まれて、それらが毎日のように上演されています。
世界のパフォーマンス、イベントが集結するロンドン、学校の後でもまだまだ夜も長く楽しめます。
11.ヨーロッパ各国へのアクセスが良い
ロンドンにはヒースロー空港を始め、格安航空会社が拠点とする数々の空港が近郊にあります。
パリ、ベルギーへはロンドンからユーロスターで二時間です。日帰りも可能ですし、オランダのアムステルダムに至っては飛び立ったかと思ったら、もう着陸体制並みの早さで到着します。
プラハなど日本からは中々いけない街でも、2時間以下で飛行機であっという間に到着。アイスランドや北欧、トルコやモロッコ、エジプトも遠くありません。
フライトチケット代も平日やオフシーズン、また早めにとれば信じられないほど安いために(日本の国内旅行並み)、イギリスにいると返って高くつくからと、毎年長期のホリデーにスペインやフランスを訪れる人々も少なくありません。
留学しながらヨーロッパなどの各地を廻るのには最適な選択ではないでしょうか。
12.しっかりとした日系コミュニティがある
せっかくロンドンに勉強に来たのだから、なるべくは現地と溶け込みたいと言うお気持ち、皆が持つのではと思います。
しかし、思わぬ病気やアクシデント、ホームシックになった場合に、ロンドンには日系の病院や、歯医者、美容院、不動産屋、宅配業者、本屋に食材を売る店、日本人のソリシターに旅行会社など、さまざまなサービスが揃っています。
また、日本の食材はここ数年ロンドンでも大変人気があるため、日系のお店でなくてもお蕎麦やおうどん、みりんにわさび、お味噌にカレーのルーなどがスーパーに置いてあったり、信頼できる新鮮なお刺身を提供してくれるお魚やさんもあります。
肩肘を張りすぎないで、辛いときにはやはり故郷の料理や言葉、医療に頼って元気を取り戻すことも大事、ロンドンならそれが可能です。
まとめ
いかでしたでしょうか?私の住む街、ロンドンの魅力を少しでもお伝えできましたら幸いです。
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この記事を書いた人
イギリスのロンドンはウィンブルドンに住んで9年目です。元ハリーポッターに出演していた夫(南アとオランダのダブル国籍です)と二人暮らしです。私がいっぱい涙が出るくらい恥ずかしい思いをしつつ経験してきた生活の知恵、英語の言い回し、イギリスの穴場やこぼれ話をお届けできたら嬉しいです。またBAFTAの試写会でのセレブリティーの写真もご紹介できたらと思います。