アメリカでピアノ科博士号をとるーーテキサス大学オースティン校の留学生インタビュー

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今回のインタビューはアメリカのテキサス大学オースティン校音楽学部ピアノ科博士課程2年生の森下こすもさんです。10年に及ぶアメリカ生活や現在の学校生活、授業内容についてお話をお聞きしました。

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アメリカのテキサス大学オースティン校音楽学部ピアノ科博士課程2年生の森下こすもさん。語学学校、コミュニティーカレッジ、4年制大学、大学院修士課程を経て現在は博士課程でピアノを専攻している森下さんに、留学の大先輩としてお話をお伺いしました。

テキサス大学博士号までの道のり

アメリカ 大学院 ピアノ留学

(今年行ったリサイタルの様子)

ーー 森下さんが初めに留学を目指したきっかけはなんですか?

幼少期から、祖父がよく海外に行く姿を見ていたり家族で年1回は海外旅行に行ってたこともあり、幼いながらに世界には日本以外の場所があるということを感じていました。

他の世界を見てみたいという気持ちから、ずっと留学したい思いはあったのですが、音楽高校に通っていた当時は、周囲から「日本の大学を卒業しておいた方がいい」といわれ、日本の音大に進学しました。しかし、2年生が終わる頃に、これは自分でもわからないのですがふと「あ、今行こう」と思い留学を決めました。

ーー 突然の決意に周囲の反応はどうでしたか?

両親は昔から私が留学に行きたがっていたのを知っていたので特に驚いてはいなかったのですが、周囲の友達は突然私が決めたので驚いていましたね(笑)

ーーその後、現在にいたるまで10年間の留学生活がスタートするわけですが、これまでの経歴を教えていただけますか?

私が初めてアメリカに来たのは2006年で、はじめは2ヶ月間カリフォルニア州立大学サンマルコス校の語学学校に通いました。

その後フロリダにあるカレッジ・オブ・セントラル・フロリダというコミュニティーカレッジを卒業したのち、4年制大学ステッソン大学に編入しBachelor of Musicを専攻として学部留学をしました。

2010年〜2012年にかけてはカリフォルニアに戻りカリフォルニア州立大学サクラメント校で修士号(Master of Music)を取得。そして、2014年8月から現在までテキサス大学オースティン校にて博士号(Doctor of Musical Arts)を勉強しています。

ピアノを極めるという決意

テキサス大学オースティン校で一番大きいホール

(テキサス大学の一番大きなコンサートホール)

ーー 博士号までとるというのは、当初から決めていた計画なのですか?

昔から、「何かを極めたい!」という思いがありアメリカで博士号を取るのは夢だったのですが、出発するときは特にどの分野を専攻するのかは決めていませんでした。

小さい頃からピアノはやっていて、高校、大学と日本でも音楽を学んでいましたが、学部時代にフロリダで担当してくださった先生に影響を受けて、やはり「私は音楽が学びたい」と思い博士課程に進むことを決めました。

ーー 先生からはどんな影響を受けたのですか?

アメリカでは、一般的に博士号を持っていないと大学で教えることができないのですが、その先生は教授をしながらプロとして音楽活動もしていらして、私もそうなりたいと思いました。

ーー テキサス大学オースティン校を選んだ理由はなんですか?

一番の決め手は先生ですね。テキサス大学には魅力的な先生がいらっしゃって、受験前にアポをとって会いに行ったりもしました。学費の免除やTA(Teaching Assistant)制度を考慮して他にも6校受験したのですが、最終的にすべての条件が重なったのがここでした。

ーー 現在はどのような授業を受けていますか?

現在は音楽史やピアノ教授法を学んでいます。TAをやっているので、現在は自分の授業と人に教えるのを半分半分でやっています。

音楽学部の学生はどの楽器をやっていてもピアノが必修のため、学部生のクラスで教えたり、別の学部学科の学生にもプライベートレッスンを行っています。

ーー 授業形態や課題はいかがですか?

音楽史の授業は先生が話す講義形式で、クラスごとに毎回論文100ページを読んでペーパーを書いたり、グループデッィスカッションもあります。

教授法はその名の通り人に教える授業なので、実際に生徒を与えられてピアノを教えるというのが主な内容です。私はTAで学部生を教えていたので、授業では6歳〜12歳くらいの子どもを教えています。教授法では座学と実践、両方の授業があります。

ーー TAのご経験が活かされているのですね。卒業条件はなんですか?

まずは、2パートあるテストに合格し、その後論文を書かないといけません。

論文にも2種類あって、論文だけのものと「レクチャーリサイタル」という形式があります。どちらを選ぶか割合は半々だと思いますが、私は後者を選択しています。レクチャーリサイタルとは、リサイタルの前に30分くらい自分が論文に書いたことについて説明し、それを演奏するというものです。

レクチャーリサイタルを選択した場合は室内楽リサイタルといって他の人とコラボして取り組む課題があるため、演奏の割合が多くなります。審査員の先生をコミティーとして自分で選び、評価してもらうシステムです。

先日、1パート目の学譜を見て作曲家と時代を当てる「スコアアイデンティフィケーション」という音楽史のテストを受けたのですが、友人と議論しながら一緒に勉強したのもよい思い出です。他にも音楽史と音楽理論のテストがあり、計3項目で構成されています。

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テキサス大学の留学生数は5千人!

テキサス大学オースティン校の友達との写真

(大学院の友達との1枚)

ーー 日本人の割合はいかがですか?

音楽科で、同じ先生についている学生が私の他に一人いて、他の楽器も一人です。大学全体で日本人は100人くらいいるのですが、とにかく規模が大きな大学なので留学生全体は約5千人おり、全体的に見ると少ないと感じています。

ーー とてもお忙しい学校生活だと思うのですが、週末はどんなことをして過ごしていますか?

音楽科の学生は1日中練習したり、課題をやったりと勉強していることが多いです。今は大学のすぐ近くのアパートにに住んでいるので、大学と家を行き来しています。

編集部コメント

初めは音楽の道と決めていなかったものの、「なにかを極めたい」という想いで留学をスタートされた森下さん。目指すゴールが完全に決まっていなくとも、まずはやりたいことに向かって行動してみるという姿勢に感銘を受けました。

自分が今いる環境を抜け出して、全く新しい世界に飛び込むことはとても勇気のいることだと思いますが、「今だ!」というタイミングを逃さないことが大事なのかもしれません。

今回紹介した学校の口コミ

テキサス大学オースティン校のロゴです
名称University of Texas at Austin(テキサス大学オースティン校)
国・都市アメリカ / テキサス州 / オースティン
学校形態大学大学院
住所1 University Station Austin, TX 78712 アメリカ合衆国
電話番号+1 512-471-3434
公式サイトhttp://www.utexas.edu
口コミサイトhttps://ablogg.jp/school/1351/
カレッジ・オブ・セントラル・フロリダのロゴです
名称College of Central Florida(カレッジ・オブ・セントラル・フロリダ)
国・都市アメリカ / フロリダ州 / オカラ
学校形態短大・コミカレ
住所3001 SW College Rd, Ocala, FL 34474 アメリカ
電話番号+1 352-873-5800
公式サイトhttp://www.cf.edu
口コミサイトhttps://ablogg.jp/school/8552/
ステッソン大学のロゴです
名称Stetson University(ステッソン大学)
国・都市アメリカ / フロリダ州 / ダランド
学校形態大学
住所421 N Woodland Blvd, DeLand, FL 32723 アメリカ
電話番号(386) 822-7100
公式サイトhttp://www.stetson.edu
口コミサイトhttps://ablogg.jp/school/2866/
カリフォルニア州立大学サクラメント校のロゴです
名称California State University, Sacramento(カリフォルニア州立大学サクラメント校)
国・都市アメリカ / カリフォルニア州 / サクラメント
学校形態大学
住所6000 J St, Sacramento, CA 95819 アメリカ
電話番号+1 916-278-6011
公式サイトhttp://www.csus.edu
口コミサイトhttps://ablogg.jp/school/12205/

インタビュアー

安彦海咲(あびこみさき)/神田外語大学4年/アブログインターン生

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THE RYUGAKU [ザ・留学] 編集部です。留学コニュニティサイト『アブログ』も運営しています。

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