わずか2年で欧州での永住権が取れるチャンスも?EUブルーカードとは?
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外国で仕事をする人にとって滞在許可(ビザ)を取ることは非常に大変なことのひとつ。例えば、外人局の予約が取りにくかったり、ビザ更新のたびに色々な書類を用意させられたりなど、更新のたびにうんざりしている人も多いのでは?しかし、ヨーロッパのEU圏内であれば「EUブルーカード」ビザを取得すれば更新はかなり簡単になります。更に永住権を取得できるようになる滞在期間が短くなることも?ここでは、そんなEUブルーカードについてご紹介していきます。
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EUブルーカードとは?
「EUブルーカード」は、EUの高資格外国人労働者新指令に従い、EU加盟国から発給される滞在許可証です。
- ドイツ大使館ウェブサイト
ここでひとつ注意してほしいのは、アメリカの「グリーンカード」と名前が似ていますが、グリーンカードはアメリカの永住権になるのに対して「EUブルーカード」はあくまで期限ありの「就労ビザ」の一種類です。
EUブルーカード申請条件とは?
View this post on InstagramEU Careers AUTHさん(@eucareers.auth)がシェアした投稿- 2016年 6月月19日午前8時58分PDT
EUブルーカードを申請するのに、おおむね2つの条件を満たさなければいけません。ここでは、ドイツを例として挙げます。
ひとつ目の条件は「ドイツの大学か、またはドイツで認可される大学を卒業する」こと。もうひとつは「収入は一定の基準に達する」ことです。
その中でも特に収入の基準については、一般的な職業であれば年収53,600ユーロ以上という基準がありますが、科学者、数学者、エンジニア、医師、IT専門家など、ドイツで不足しており、且つ高度技術が必要とする専門職業では、年収41,808ユーロが最低制限となります。
なお、EUブルーカードは基本的にEUにおける企業で働く外国籍の人のみを対象としているため、自営業などはその中に含まれていません。また、EUブルーカードの申請条件にドイツ語力は不問です。
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メリットとデメリット
View this post on InstagramNet-Tech Consulting Germanyさん(@ntc_germany)がシェアした投稿- 2018年12月月18日午前6時49分PST
EUブルーカードを所有することのメリットと注意点を挙げます。
メリット
メリットは以下のようなことが挙げられます。
EU圏内での就労制限がなくなる
EUブルーカードを所有すると、発行国だけではなく他のEUの国でも職業を探したり働いたりすることが可能になります。
永住権を申請する際に優遇がある
EUブルーカードを所有すると、ドイツで永住権を申請する前提条件が大幅に緩くなります。
例えば、通常の就労ビザの場合、永住権を取得するためには最低5年間滞在しないといけませんが、EUブルーカードを所有していると、33ヶ月(3年弱)で永住権の申請が可能です。
さらに、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)の基準にてドイツ語の能力がB1に達していると、21ヶ月のEUブルーカード所有期間で永住権を申請することができます。
家族も滞在できる
EUブルーカードを所有している本人と、その家族についても無条件で家族滞在ビザの申請をすることができます。EUブルーカードと同様に、家族滞在ビザについても就労制限はなく、語学力も不問です。
例えば夫がEUブルーカードを所有し、妻がEUブルーカードの家族滞在ビザを取る場合、その妻は滞在先で自由にパートなどができます。
注意点
ここまでEUブルーカードのメリットを挙げてきましたが、いくつか注意点もあります。
EUブルーカードにも期限あり
EUブルーカードは永住権ではありません。というのも、労働契約が無期限の場合、滞在許可は最大4年まで取れます。四年後には、永住権を申請するか、続けてEUブルーカードを延長するか、という二択になります。しかし、3年以内の期限ありの労働契約であれば、EUブルーカードの有効期間は契約年数+3ヶ月になります。
職業と年収制限を厳守
EUブルーカードを取得して最初の2年の間に転職する場合、基本的に外人局に確認と再審査をしてもらわなくてはなりません。転職後の職業がEUブルーカード取得時の職業とほぼ一緒で、年収も変わらないか、または前職より高くなる場合のみEUブルーカードの所有を認められます。
このふたつのの条件が満たさなければ、転職後、EUブルーカードの撤回及び通常の就労ビザへ移行されることになります。
年収は州によって違う
ドイツでは、州と州の間で平均年収に大きな格差があります。ドイツの週刊誌、FOCUS Onlineの2016年の記事によると、ヘッセン州では、一人の労働者の平均月収は4158ユーロがあるに対して、ザクセン=アンハート州では、3066ユーロしかないことを伝えています。
つまり、ヘッセンやバイエルンのような、比較的に給料の高い州で勤めると、ブルーカードは簡単に申請できるのに対し、ザクセンやメクレンブルク・フォアポンメルンなど平均給料の低い所では、ブルーカードの申請は難しくなる可能性が非常に高いのです。
まとめ
以上、EUブルーカードについてのご紹介でした。
筆者の住むドイツでは、外人局の態度が悪く、いつも予約がいっぱいで待ち時間が長いことは割と有名な話で、多くの人たちが外人局に行きたがらないのに、ビザ更新のために定期的に外人局に行かなければいけない人もいます。
ドイツやその他ヨーロッパ圏内でこれから働くことになるときや、EU内で転職を考える際、このEUブルーカードの政策を活用してはいかがでしょうか?
※本記事の内容に関しては2019年6月段階での情報となります。
参考リンク
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この記事を書いた人
Sissiと書いてシシーです。ドイツ・ミュンヘン在住の文系大学院生です。大学時代のドイツ留学でドイツでの学生生活に憧れ、大学卒業直後に渡独。ドイツ語力ゼロからドイツ語試験合格までの一年間の語学留学生活を経て、大学院生になりました。カフェで勉強するのが大好きで、ファッションやメイクも大好きです!ドイツの現地の情報が分からずに困ってる方に向けて、生活情報や学生情報などをたくさんお届けしていきます!
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