文化交流使とは――芸能人の留学制度?日本文化を世界へ伝える「文化庁文化交流使」

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「文化交流使」という言葉を聞いたことはありますか?著名人が留学!などニュースで耳にしたことがあるけどどんなものか知らない…そんな方必見!今回は、文化庁文化交流使についてまとめてみました。

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文化庁文化交流使とは?

「文化庁文化交流使」公式サイトのスクリーンショット
「文化庁文化交流使」公式サイト

日本政府が行っている芸術家や文化人の海外派遣のことです。世界へ日本の文化を広めるため、2003年に始まりました。期間は1ヶ月〜1年で、伝統文化など昔からの日本文化だけでなく、現代の日本の文化やポップカルチャーを担う文化人を約70ヵ国に派遣しています。また、派遣型だけでなく受け入れ型もあり、海外の文化人が日本へ派遣されてもいます。

文化交流使として海外派遣された日本の文化人

職業名前派遣先
俳優 森山未來イスラエル、ベルギー、イギリス、
スウェーデン、ドイツ、ロシア
能×現代音楽アーティスト青木涼子アイルランド、フランス、ドイツ、
デンマーク、イギリス、ハンガリー、イタリア
理研究家柳原尚之料ニュージーランド、ブラジル、
カナダ、アメリカ
日本舞踊 藤間蘭黄フランス、イギリス、ドイツ
書道家武田双雲ベトナム、インドネシア
アニメーション・アーティストうるまでるびアメリカ
落語家 笑福亭鶴笑タイ、イギリス
能楽家 梅若猶彦フィリピン

俳優や日本の伝統文化に関わっている人、芸術家など、様々な人が派遣されています。また、派遣先も様々であることが分かります。

どうやって選ばれるのか

文化交流使委員会によって推薦され、文化庁長官によって指名されます。なので、自分が「行きたい!」と言って行けるものではないのですね。

日本の文化を世界へ

実際の活動

文化交流使はそれぞれの携わっている日本文化や芸術などを通して現地の人々と交流し、日本文化を伝え、現地の文化を知り、という活動をしています。そのため文化交流使は各自が異なる活動を行います。

活動例

森山未來さん(俳優)は、派遣期間の大半をイスラエルで過ごし、現地の人々と共に舞台を作り上げていきました。日本の文化を伝えるだけでなく、紛争のさなかでも演劇という芸術を通じて何かを伝えようとする彼らの文化が活気に満ち溢れていることを感じたそうです。同時に、国の歴史の長さが文化へ影響を与えることも感じたと言います。

青木涼子さん(能×現代音楽アーティスト)は、海外の作曲家・音楽家とコラボしていました。日本の伝統芸能である「能」と「現代音楽」を掛け合わせた彼女の芸術を日本でもまだ知らない人も多いですよね。派遣先であるヨーロッパだけでなく、日本のメディアにも露出が増えたと言います。

柳原尚之料さん(料理研究家)は、無形文化遺産になった和食を広めるため、現地の学生たちに和食の作り方などを伝えてきました。海外での和食文化の理解と発展を促しただけでなく、海外で和食を作る時の壁も感じたと言います。

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文化のネットワーク

自分の携わっている分野・特性を生かして日本文化を現地の人々に広め、同時に文化交流使として派遣された本人が日本文化を改めて考える機会となっています。また、文化交流使が現地の文化人と繋がり、文化のネットワークが広がってゆきます。異国の文化から学ぶことで、自国の文化をさらに発展させる機会になるのですね。

日本人の日本文化理解へ

帰国後にはフォーラムが開かれ、活動報告だけでなく、海外で日本の文化がどう受け入れられているかなどについても発表されます。日本文化について深く理解している日本人は少ないです。こうやって海外に日本文化を発信することで、日本人が改めて日本文化について考える機会を作っていけるのも、文化交流使の良いところですね。

まとめ

いかがでしたか?「Cool Japan」を掲げる日本の政策。こうやって実際に文化に携わる人を派遣し、文化交流をすることで、日本の文化を伝えています。そして、一方的に伝えるだけではなく、海外の文化人を受け入れることや、現地の文化を通じてさらに自国の文化を発展させる、これが「文化庁文化交流使」の目的です。皆さんもこれをきっかけに日本の文化に興味をもっていただけたら嬉しいです。

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この記事を書いた人

りほ
りほ

東京の大学生。ベトナムで教育支援を行うボランティア団体に所属。趣味は読書と食べること。フィンランドに留学予定。

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